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女性ホルモンと歯周病の関係

2025年02月14日

皆さま、こんにちは☀️

歯科衛生士の田中です。

今日は女性ホルモンと歯周病の関係についてお話していきます!

 

歯周病は、誰にでも起こる可能性のある病気です。しかし、その歯周病に男女でかかりやすさに差があることをご存じですか?この差の原因は「女性ホルモンの変化」によるものです。

女性ホルモンは、特定の歯周病菌の増殖や歯周組織の炎症を悪化させることがすでに分かっています。今回は、女性ホルモンバランスの変化が招く「歯周病のリスク」についてご紹介します。

 

【思春期】(11〜18歳)

[女性ホルモンが増え始める]

思春期になると、女性ホルモンの分泌が増え始めます。エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの増加により、歯ぐきの血流量が増え代謝が活発になります。これにより歯垢などの刺激物に反応しやすく、歯周病にかかりやすい状態となるのです。

また、人間関係や進学などによる環境の変化や、テスト勉強の睡眠不足などでストレスを抱え始める人が増えるのも思春期の特徴です。ストレスは、免疫力を低下させ口腔環境の悪化にもつながります。忙しい時期ではありますが、歯科検診は定期的に受け、異常を感じたら早めに受診するよう心がけましょう。

思春期は、永久歯への生え変わりが完了する時期です。生え変わりの時期に歯のトラブルが起こると、これからずっと使っていく永久歯に影響が出る可能性があります。生え変わったばかりの繊細な永久歯であれば、ダメージを受けるリスクは高まります。まだ若い思春期の子どもに「歯周病」のリスクを感じる人は少ないかもしれませんが、この時期の口腔ケアの重要性も理解しておきましょう。

 

【妊娠・出産】

[女性ホルモンの分泌はピーク]

妊娠すると、女性ホルモンは急激に増加します。また、唾液の分泌量が減るのも妊娠期の特徴です。

● 女性ホルモンの増加

→歯ぐきは腫れやすい敏感な状態に

● 唾液の減少

→唾液が汚れを流してくれる作用(自浄作用)が低下

● 妊娠中のつわり

→気持ち悪さで十分に歯磨きやうがいができない

このような体の変化から、妊娠中から出産にかけては口腔環境が悪化しやすく、歯周病リスクが非常に高い状態とされています。

また妊娠期に歯周病になると、早産や未熟児・低出生体重児となるリスクが高まるといったデータもあります。セルフケアもしっかりと行いつつ、歯医者さんに定期的にメインテナンスに通い、赤ちゃんのためにも歯周病対策を行いましょう。

 

【更年期】(45〜55歳)

[女性ホルモンは徐々に低下]

更年期になると、女性ホルモンの分泌は低下します。女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨密度の低下を防ぐ大切なホルモンです。このエストロゲンの減少により骨密度が低下すると、骨折を起こしやすい状態になります。

その影響は、口腔内にも及びます。骨密度の低下によりあごの骨が衰えると、歯槽骨という歯を支える骨ももろくなります。歯の支えが弱いと、歯がぐらつき抜けやすい状態となるのです。

また更年期は女性ホルモンの急激な低下により、ホルモンバランスが乱れやすいのをご存じの方も多いでしょう。このホルモンバランスの乱れは唾液の分泌量低下、すなわちドライマウスを引き起こします。唾液の分泌量が減ると、口腔内の自浄作用も低下し歯周病リスクが高まるため、更年期は特にマウスケアへの高い意識が必要となります。

 

ホルモンバランスの変化は、絶対に避けることができません。思春期・妊娠~出産期・更年期と変化が著しく、特にマウスケアの必要性を自覚しておくことが大切です。ブラッシングやフロスなどによるセルフケアと、プロによる定期的な歯科検診を基本として、歯周病予防を行っていきましょう。

気になることがあればお気軽に歯科医師・歯科衛生士へお声がけ下さい😊

舌は健康の鏡?

2025年02月7日

最近一段と冷え込んだ日が続いていますが、皆さん体調はいかがですか?

こんにちは!歯科衛生士の沖村です!

体調が崩れやすい季節真っ只中ですが、皆さん自分の体調管理をする上で指標にしている事はありますか?

実は口の中の大部分を占める【舌】には身体の健康状態を写し出す鏡の役割を果たしている事をご存知ですか?

舌の内部には毛細血管が無数に張り巡らされており、舌が赤いのは血液中のヘモグロビンの色に由来しています。

そのため舌の内部の血液の状態=全身の状態が舌に反映されます!

また脾臓(ひぞう)や胃につながっているため、身体の不調がサインとなって現れやすくなっています。

《舌のチェックポイント》

一緒に鏡で確認してみましょう!

①色

色の違いで血流や体温の状態がわかります。

例えば舌が白っぽい色だと血流が悪く、体が冷えている 状態であると考えられています。

逆に赤みが強い舌の色は、水分摂取量が少なく、体全体に熱がこもっている状態を表しています。

②形や厚さ

舌の縁がギザギザだったり、歯形が付きやすかったりすることはありませんか?

それは水分量が関係し、体が浮腫んでいる証拠です。

体に必要以上の水分が溜まっていると考えられており、その状態が続くと慢性的な疲労に繋がってしまうことになります。

③舌苔

「舌苔(ぜったい)」とは舌に付く白い苔状の垢のことです。

この舌苔には粘膜を保護する役割があります。

気になる方も多いと思いますが、生体反応のひとつであり、必要不可欠なものです!

舌苔でわかることは、

・胃腸の状態

・ストレス

・風邪や感染症

・抵抗力

などです。

この舌苔がピンク色の舌に厚みが無く、うっすら白いものならば問題ありませんが以下の舌苔は注意が必要です。

・舌苔が全く無いと言う人→抵抗力が落ちている

・舌苔が白く厚さがある人→胃腸が弱っていたり、風邪の引き始め

・舌苔が黒ずんでいる人→体力が著しく落ちている、重い病気にかかっている可能性もある

・舌苔が黄色っぽい人→刺激物の過剰摂取や食べ過ぎによる胃腸の乱れ。口臭も強くなる。

自身の舌を観察してみていかがでしたか?

初めて見ると分かりづらいと思うので、定期的に観察し、変化があれば体調も気にしてみて下さい。

また口の定期検診で舌の状態も確認します!

身体の健康を守るために、お口の定期検診をしっかり受けましょう♪

噛めば噛むほど若返る

2025年01月31日

こんにちは、歯科医師の飯田です。

今回は噛めば噛むほど若返る!?についてお話ししていきます。

よく噛むと若返るや認知症の予防という話を聞くと思います。

では一体何が若返るという現象を起こしているのでしょうか

まず噛むということがどういうことなのかを説明していきます。

1.噛むことで食べ物を細かくし食べ物自体の表面積を増やします。表面積が増えることで消化酵素がまんべんなく浸透することで

消化を助けまた吸収を良くします。

 

2.噛むことで唾液の出る量が多くなりお口の中の虫歯をなりにくくします。

これは唾液には干渉作用と言って酸によってお口の中が酸性に傾いて虫歯ができやすい状況を中性に戻すことでできにくくします。

他にも汚れを流したりなど唾液にはいろいろな作用があるのでとても重要になります。

さらに唾液にはパラチンと言われる若返りホルモンが入っているのです。これにより老化防止や新陳代謝の促進が行われます。

 

3.噛むことには満腹中枢を刺激することで食べ過ぎることを防ぐことになります。

よく30回噛んで食べるということを聞くと思います。

 

4. 口のなかは髪の毛が一本紛れ込んだだけでもわかるほど鋭敏な感覚をもっています。噛むことで脳に多くの情報が送られ、

この感覚系と運動系の間でさまざまな情報が飛び交い、同時に脳のあらゆる部位を活性化させています。

また噛むことで歯の根っこから圧力で脳に血流が流れます。脳に血流が流れるとでも脳が活性化を手助けしています。

この血流量を上げることで前頭葉を刺激して認知症やうつ病の予防になるそうです。

 

5.噛むことでお口の周りの筋肉を発達させます。

頬の筋肉、舌の筋肉、お口周りの筋肉などがしっかり発達することで顔のラインなども作っていきます。

 

6.噛むことでスポーツが上手くなると言われています。噛み締めることで筋肉の力が強くなったり、

リラックスや集中力アップにつながると言われています。いろいろなスポーツで安全面や能力向上のために

マウスピースが使われています。

なんと唾液の中に若返る物質があるなんて思ってもみなかったですね。

しかし、このようによく噛むということはとても良いことばかりですが気をつけなくてはいけないこともあります。

 

噛む時間が長いや噛む力が強いとデメリットも存在します。

例えば噛む力が強いと歯が割れたり、被せ物が壊れたり、顎関節症になるなどもあります。

そうなった時はナイトガードで負担を減らしたり、ボツリヌスで噛む力を弱めたりします。

もし、そう言ったお悩みなどがありましたら当院まで来ていただければ詳しく説明をした上でしっかりと合った治療を進めていければと思います。

歯周病と全身疾患の関係性とは?

2025年01月24日

こんにちは!歯科衛生士の阿部です😊

みなさんは、歯周病が全身に及ぼす影響についてご存知ですか??

今日はその関係についてお話ししていきます!

歯周病の原因となるのは、歯垢と呼ばれる細菌です。歯垢は、歯磨きが不十分な部分に付着するネバネバした黄白色の粘着物です。この歯垢は時間とともに量が多くなり、酸素が少ない状態になると歯垢の中で酸素を嫌う嫌気性菌が多くなります。

嫌気性菌が歯肉に攻撃を仕掛けて身体の中に侵入しようとし、身体は菌をやっつけて侵入を抑えようと攻撃します。これが、歯周病のはじまりで、歯肉からの出血・発赤・腫脹などの炎症の症状です。この中でも、出血は歯周病菌と白血球の戦いの証です。出血をそのままにしておくと、歯垢は歯周ポケットの中に潜り込み、どんどんと歯周組織を破壊していき炎症を繰り返します。歯周病が起こるということは、口の中で常に炎症が続いているということです。

その際、炎症によって出てくる毒性物質が歯肉の血管から全身に入り、様々な病気を引き起こしたり悪化させる原因となります。

①糖尿病

②早産・低体重児出産

③肥満

④動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)

にも関係してきます。

また、歯周病菌のなかには、誤嚥により気管支から肺にたどり着くものもあり、高齢者の死亡原因でもある誤嚥性肺炎の原因となっています。

歯周病菌のひとつP.g菌(Porphyromonas gingivalis)がもつ”ジンジパイン”というタンパク質分解酵素はアルツハイマー病悪化の引き金をもつ可能性が示唆されています。

歯周病の予防・治療を行うことで、全身の様々な病気のリスクを下げることが可能です。日々の歯磨き・口腔ケアを見直し全身の健康につなげましょう。

狭心症・心筋梗塞

動脈硬化により心筋に血液を送る血管が狭くなったり、ふさがってしまい心筋に血液供給がなくなり死に至ることもある病気です。

 

 

 

動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が要因とされていましたが、別の因子として歯周病原因菌などの細菌感染がクローズアップされてきました。

歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が出来血液の通り道は細くなります。

プラークが剥がれて血の塊が出来ると、その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。

脳梗塞

脳の血管のプラークが 詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まる病気です。歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。

血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、より重要となります。

●歯周病は糖尿病の合併症の一つ

歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。

さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです。

歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。

全身の健康に歯科が出来ること

歯肉の炎症が全身に多くの影響を及ぼすことは昨今の研究で明らかになってきています。歯周病も糖尿病も生活習慣病ですから互いに深い関係があって不思議ではありません。

毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防することにつながります

歯医者は口腔内の変化をみる事のできるプロです。口腔ケアも自分一人できちんと行うのは難しいと言われています。半年に一度は歯科医を受診し、生活習慣も含め口腔内のケアを受けるようにしてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妊娠性歯肉炎

一般に妊娠すると歯肉炎にかかりやすくなるといわれています。

これには女性ホルモンが大きく関わってくるといわれており、特にエストロゲンという女性ホルモンがある特定の歯周病原細菌の増殖を促すこと、また、歯肉を形作る細胞がエストロゲンの標的となることが知られています。

妊娠終期には月経時の10~30倍になるといわれており、このため妊娠中期から後期にかけて妊娠性歯肉炎が起こりやすくなるのです。

ただ、基本的には歯垢が残存しない清潔な口の中では起こらないか、起こっても軽度ですみますので、妊娠中は特に気をつけてプラークコントロールを行いましょう。油断すると出産後に本格的な歯周病に移行する場合もありますので、注意が必要です。

また、まれに妊娠性エプーリスという良性腫瘍ができる場合もありますので、その場合はかかりつけの歯医者さんにお早めに受診してください。

歯周病と低体重児早産

 

 

 

 

 

 

近年、さまざまな歯周病の全身への関与がわかってきました。

なかでも妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児および早産の危険度が高くなることが指摘されています。

これは口の中の歯周病細菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかといわれています。その危険率は実に7倍にものぼるといわれ、タバコやアルコール、高齢出産などよりもはるかに高い数字なのです。

歯周病は治療可能なだけでなく、予防も十分可能な疾患です。

生まれてくる元気な赤ちゃんのために、確実な歯周病予防を行いましょう。

誤嚥性肺炎

 

 

 

 

誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物を誤って気管や肺に飲み込んでしまうことで発症する肺炎です。

肺や気管は、咳をすることで異物が入らないように守ることができます。しかし、高齢になるとこれらの機能が衰えるため、食べ物などと一緒にお口の中の細菌を飲み込み、その際むせたりすると細菌が気管から肺の中へ入ることがあります。

その結果、免疫力の衰えた高齢者では誤嚥性肺炎を発症してしまいます。

特に、脳血管障害の見られる高齢者に多くみられます。

誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われており、誤嚥性肺炎の予防には歯周病のコントロールが重要になります。

骨粗鬆症とは

 

 

 

骨粗鬆症は、全身の骨強度が低下し、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気で、日本では推定約1.000万人以上いると言われています。そして、その約90%が女性です。

骨粗鬆症の中でも閉経後骨粗鬆症は、閉経による卵巣機能の低下により、骨代謝にかかわるホルモンのエストロゲン分泌の低下により発症します。

歯周病と骨粗鬆症

閉経後骨粗鬆症の患者さんにおいて、歯周病が進行しやすい原因として最も重要と考えられているのが、エストロゲンの欠乏です。

エストロゲンの分泌が少なくなると、全身の骨がもろくなるとともに、歯を支える歯槽骨ももろくなります。また、歯周ポケット内では、炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎の進行が加速されると考えられています。

多くの研究で、骨粗鬆症と歯の喪失とは関連性があると報告されています。

したがって、閉経後の女性は、たとえ歯周炎がなくても、エストロゲンの減少により、歯周病にかかりやすく、広がりやすい状態にあると言えます。

また、骨粗鬆症の薬としてよく用いられるビスフォスフォネート製剤(BP系薬剤)というのがあり、これを服用している方が抜歯などをした場合、周囲の骨が壊死するなどのトラブルが報告されています。歯周病でぐらぐらしているから自分で抜く、などということは絶対に行わないようにしてください。

意外とお口の健康と全身疾患には深い関わりがあります。

皆さんの健康寿命を、歯科でもサポートできることはたくさんあります。

一緒にお口の健康を守り、生活の質を上げていきましょう!

歯並びと噛み合わせの重要性とは?

2025年01月17日

こんにちは!歯科助手の長岡です。

突然ですが、皆さん「歯並び」と「噛み合わせ」の違いをご存知ですか?

似たような言葉ですが、実は意味が全く異なります!

歯並び、噛み合わせが悪いとどのような症状を引き起こすか、それぞれ見ていきましょう!

【歯並びとは】
歯並びとは、歯の見た目および歯列の位置を指す言葉です。

歯並びは外から見たときに歯がどのように見えるか(見た目)、歯列がどの位置にあるか(位置)、それが「歯並び」です。
歯並びと言う言葉には機能面の良し悪しは含まれません。

「良い歯並び」「綺麗な歯並び」であっても、噛み合わせに問題があるケースもあります。

 

【歯並びが乱れると…】
・食べ物をしっかり噛めなくなる
・歯をすみずみまで磨きにくくなり、むし歯や歯周病になるリスクが上がる
・発音に悪影響がでる(特にサ・タ・ラ行の発音に影響が出やすい)
・見た目が悪くなる(見た目の悪さがコンプレックスにつながるケースも)

 

【良い歯並び(綺麗な歯並び)の条件】
①上下の前歯の中心(正中)がずれていない
②奥歯を噛み合わせたときに隙間が無い
③上の前歯が下の前歯にわずか(2~3mm程度)に覆いかぶさっている
④歯の大きさにばらつきがなく、歯がねじれたり、歯が大きく傾いていない
⑤歯がデコボコに生えておらず、あごの骨(歯槽骨)の中に歯がきちんと収まっている

良い歯並び、綺麗な歯並びとは、上記の5つの条件すべてを満たしている歯並びです。

矯正治療を行う際には、上記の5つの条件を基準にして治療計画を立案します。

【噛み合わせとは】
噛み合わせとは、上下のあご、および、上下の歯の位置関係を指します。

歯並びとは異なり、噛み合わせは歯の位置関係だけではなく「噛む(咬合)」という機能面の状態を指す言葉でもあります。

私たち人間の噛み合わせは、以下の4つの構造から成り立っています。
1.あごの関節(顎関節)
2.あごを動かす筋肉(咬合筋など)
3.歯
4.歯を支えているあごの骨(歯槽骨)
良い噛み合わせとは、上記の4つすべてがバランス良く機能している状態を指します。

逆に、悪い噛み合わせとは、上記の1つもしくは複数の構造に問題が出ている状態です。

 

【噛み合わせが悪くなると…】
・歯並びが乱れる(噛み合わせの悪さが不正咬合の原因になる)
・歯がすり減る
・歯が割れる、欠ける
・歯を支える歯槽骨が吸収してしまい、歯がグラグラになる
・あごの関節に痛みがでる、あごの関節から音が鳴る(顎関節症)

 

【良い噛み合わせの条件】
①犬歯から奥の歯が、上の歯1つにつき、下の歯2つが対になり、安定して噛み合っている(1歯対2歯)
②上下の歯を噛み合わせて横に動かしたとき、前歯や第1小臼歯が基準になり、側方(外側)への動きをコントロールできている

このように歯並び、噛み合わせと一言で言っても、症状は患者様によって様々です。

また、噛み合わせが悪いと顎の関節に痛みが出たり、歯以外にも悪影響を及ぼします。

 

矯正治療や、インプラント・入れ歯・ブリッジなどの失った歯を補う補綴治療を行う際には、「良い噛み合わせの条件」を考慮して治療を行うことで、歯並びだけではなく噛み合わせの改善にもアプローチできます。

当院でもインビザライン矯正を行っておりますが、矯正治療以外にもナイトガード作成やボツリヌス注射等、患者様の症状に合わせて治療を行っております。

また、治療に入る前には必ず患者様と治療方針を決めてから治療を開始していますのでご安心ください☺️

一緒にお口の健康を守っていきましょう✨️

甘いものを食べると虫歯になりやすい?

2025年01月10日

みなさんあけましておめでとうございます🎍

本年もよろしくお願いいたします!

新年一発目のブログは歯科助手・TCの髙橋が担当します☺︎

みなさんは年末年始美味しいものをたくさん食べまたしたか??

今回は食べ物と虫歯に関するお話です!

小さい頃などにチョコレートやキャンディーなど甘いものを食べると虫歯になるよと言われたことはありませんか?

実際に甘いものを食べると虫歯になりやすくなるのは本当です!

チョコレートやキャンディーなどに含まれている糖分は虫歯菌のエサになるからです。

虫歯菌は歯にネバネバしてこびりついているプラークの中に住んでいます。

甘いものを食べると、虫歯菌は「糖」を分解して口の中で歯を溶かす「酸」を放出します。

その「酸」によって歯の表面のエナメル質が溶け出してしまい、歯に小さな穴ができて、そこから虫歯が広がります。とても恐ろしいですね、、

またお菓子のだらだら食べには要注意です!

お菓子を食べる時間を決めずに食べていると虫歯のリスクは高まります。それは一体なぜでしょうか?

虫歯菌は酸によって歯を溶かす「脱灰」というものを引き起こします。しかしその際に「再石灰化」と呼ばれる現象が起こり、唾液の作用で酸性に傾いた歯面が中和されます。だらだら食べをしていると、再石灰化の時間が短くなり、虫歯が進行してしまいます。

ではそういったことを起こさないために日常でできる予防習慣をお伝えします!

虫歯予防は毎日のちょっと🤏した積み重ねが鍵です🔑

①キシリトール配合のお菓子を食べる

キシリトールは虫歯菌のエサにならないため、虫歯菌が酸を放出することがありません。歯磨き粉やガムによく含まれていますね!

当院でもキシリトール配合の「リカルチョコ」を販売しています!

バレンタインが近づいてくる季節にいかがですか?🍫

②フッ素を取り入れる

フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯になりにくくする菌を作ることができます。

当院でもフッ素を配合している歯磨き粉や洗口液を取り揃えているのでぜひスタッフに聞いてみてください♩

③プラークなどの汚れをとる

虫歯菌が住んでいるプラークは水でゆすぐだけではとれません。食後や間食の後に歯を磨くことが大切です。糖分を摂取した後はしっかりとブラッシングをしましょう!

また、当院でも歯科衛生士が定期的なメインテナンスを行っているので、虫歯治療だけではなく予防治療にもぜひ歯医者にお越しください🦷

お待ちしています😊

妊娠時の口腔内の変化について

2024年12月27日

皆さんこんにちは!歯科衛生士の嶋です。

今年も残りわずかとなりましたが、お身体に気をつけて良いお年をお迎え下さい😊

 

みなさん、妊娠時期は身体とお口の中にもあらゆる変化が起こることはご存知でしょうか?そこで、今回は妊娠時の口腔内の変化についてお話しします。

 

【妊娠中に気をつけたいお口の症状について】

〈唾液の質の変化〉

妊娠状態を保つための女性ホルモン(プロゲステロンとエストロゲン)が働き、唾液の性質がネバネバする特徴があります。本来、唾液には口の中の汚れを落とす自浄作用がありますが、ネバネバした唾液は自浄作用が低下している状態なのでむし歯菌が増えたり口内環境が悪化することがあります。

 

〈女性ホルモン分泌の増加〉

女性ホルモンが血液中にたくさん増えることで、歯周病菌が活発になり妊娠性の歯肉炎になりやすくなります。妊娠性歯肉炎は妊娠初期に発症しやすいと言われています。

 

〈免疫反応の低下〉

妊娠すると炎症、出血が起きやすくなります。胎児を異常とみなさないように、免疫反応が一時的に低下し、細菌に対する抵抗力が低下します。

 

〈虫歯のリスク〉

つわりで気持ちが悪いと歯みがきをするのが難しくなることがあります。また、つわりの一症状である嘔吐で胃酸が逆流すると口の中が酸性になりむし歯が出来やすい環境になります。

 

【胎児に影響があるリスクについて】

妊婦さんの口腔の変化は胎児に影響する場合もあります。進行した歯周病が早産や低体重児出産のリスクを2〜4倍程度高めることが報告されています。理由は、歯周病菌が血液中を循環して子宮内で炎症を起こしたり、炎症性物質の産生によって子宮の収縮が誘発しやすいからです。

【妊娠中のお口のケアについて】

妊娠中は体調面に大きく変化があるので、どのようにケアをしたらいいか悩まれている方もいると思います。そこで、お口のトラブルを減らせるようにご自宅で出来る予防方法をお伝えします!

●つわりがひどい時の歯磨きは、「食べたら磨く」ではなく「体調が良い時にしっかり磨く」ようにしましょう。歯磨きが辛くてできない時は、うがいをするだけでも口の中を酸性から中性に近づけられます。できる範囲で、口の中を清潔に保ちましょう。

 

●ヘッドの小さい歯ブラシは、つわりがある場合も奥歯まで磨くことが出来ます。

 ●マウスウォッシュで虫歯、歯周病予防

当院おすすめのマウスウォッシュ

〈フッ化物洗口液〉

無味なのでつわり中も安心して虫歯予防が出来ます。

 

〈ポイックウォーター〉

たんぱく汚れの分解と除去率が高いので虫歯や歯周病予防が出来ます。

 

〈ハビットプロモンダミン〉

虫歯、歯周病菌の殺菌、歯茎の炎症と出血を防ぐ働きがあるので虫歯や歯周病予防が出来ます。

当院では、メインテナンスを受けながら妊娠時期のお口の状態に合わせたセルフケア方法もお伝えしています。事前の予防対策をすることで、患者様の全身と胎児の健康を守ることに繋がります!

不安なことや悩んでいることなどあればぜひ当院にお越しください。

虫歯になりやすい人は歯周病になりにくい?

2024年12月20日

こんにちは。歯科医師の堀井です。

今回は虫歯と歯周病の病因論についてのお話になります。

病因論とは、なぜその病気が起こるのかの原因やメカニズムを究明する学問です。

皆さん虫歯の治療をして治ったと言われても、またすぐに虫歯になってしまった経験や

ぜんぜん歯科医院に通ってないのに虫歯で困ってないと聞いたこともあると思います。

またほとんど自覚症状がないのに歯周病と言われたことがある方も多いと思います。

う蝕(虫歯)も歯周病も感染症ですが、お口の中に棲み着いた常在菌による感染症なので、

病原菌に感染したからといってすぐに発症するものではありません。

また常在菌を完全に取り除くことはできないので、歯を守るためにはう蝕や歯周病の原因の菌を上手にコントロールしていく必要があります。

私たちのほとんどは歯周病原性細菌を持っていますが必ずしも歯周病を発症するわけではありません。

いままでの病因論の進化により、歯周病の治療の目的は、「細菌を 0 にする」というわけではないと分かってきました。

抗菌薬で常在菌を完全に除菌することはできないし、常在菌を無くそうとしてはいけません。

では虫歯は削って詰めたら治るのでしょうか?

それは思い違いです。

2000年にFDI(国際歯科連盟)から「削れば削るほど歯の寿命は短くなる」と発表されました。

虫歯と歯周病の病因はバイオフィルム(プラーク)です。口腔からバイオフィルムをなくすことはできません。

そして、虫歯と歯周病の原因菌は常在菌です。常在菌を追い出すことはできません。

そのため虫歯と歯周病が完治することはありません。

虫歯と歯周病の原因となるプラーク、バイオフィルムは歯茎の縁より上と下で縁上バイオフィルム(プラーク)と

縁下バイオフィルム(プラーク)の二つに分けられます。

このふたつのバイオフィルムの中には全く異なる細菌たちが棲んでいます。

縁上バイオフィルムにはう蝕原因菌、縁下バイオフィルムには歯周病原因菌がいます。

歯肉縁上にはミュータンス連鎖球菌などの好気性菌がいて発酵性糖質(ショ糖、ブドウ糖、果糖、調理デンプンなど)を代謝し、酸を産生します。バイオフィルムのpHは弱酸性です。

歯肉縁下には嫌気性菌彼がいます。歯周組織由来のタンパク質を主食とし、歯周ポケット内のpHは7.5〜9.0でアルカリ性となります。

縁上バイオフィルムの細菌は、う蝕は起こすが歯周炎は起こしません(歯肉炎は起こす)。

縁下バイオフィルムの細菌は、酸を産生しないのでう蝕は起こしません。

酸素と酸性を好む縁上細菌は、歯肉縁下(酸素が乏しくアルカリ性)に侵入しないし、縁下細菌も縁上には移行しません。

なのでう蝕と歯周炎は、別のところに住む菌が原因で起こります。

う蝕は縁上の酸産生菌が発酵性糖質を代謝して酸を作り、歯を溶かす方向にお口の中のバランスが傾いて起こります。

なのでう蝕の治療は歯を溶かす原因菌を減らして、歯に悪い食生活を改善することが必要です。

歯周炎は歯茎の中の歯周病原菌が原因で進行します。

歯茎に炎症が起きると内側からからの出血により、歯周病菌にとって必須栄養素である鉄分とタンパク質が供給され、

バイオフィルムの病原性が大幅に高まります。

進行を抑えるためには、細菌に供給される栄養を絶つことが重要です。

ブラッシング指導などの歯周基本治療により歯周ポケット内の細菌量が減少すれば、ポケット内の潰瘍面が修復し出血が止まります。

これにより、バイオフィルムの病原性は大幅に低下し歯周炎は改善します。

以上のように虫歯と歯周病は別の病因なので、患者さんの年齢とお口の中の状態に応じて、オーダメイドでう蝕、歯周病それぞれのリスクを判定することが歯を守る上で大事になります。

 

出典 No.232 2019年3月13日発行

予防歯科で防ぎ守る! ‐ポスト平成の歯科医療‐

https://www.dental-plaza.com/academic/dmr/no232/#content05

メインテナンスに通う重要性とは?

2024年12月13日

こんにちは!歯科医師の津田です!

もうすぐクリスマスですね🎄

今年は平日ですね!わたしは診療もありますがケーキを食べたり楽しむ予定です☺️みなさんもよいクリスマスを!

今回は歯のメインテナンスについてのお話です。

まずメインテナンスとは、歯周病を再発させず、健康な状態を維持していくための定期的な治療のことです🦷🪥

実は日本人の約80%が歯周病患者もしくは歯周病予備軍と言われています。

さらに自分が歯周病だとは自覚しているのは約20%だそうです。

歯周病は歯と歯肉の間が清掃不良で細菌が停滞することにより歯肉や骨が下がります。

しかし痛みなどの症状が出ないことが多く、歯周病は気付かぬうちに静かに進行していきます。

そのためむし歯治療などが終わった後は油断せずに約3ヶ月ごとのメインテナンスでの受診をお勧めしております。

歯周病を予防するにはまずご自身の毎日のブラッシングが大切です🪥

ただ歯磨きで落とせる汚れは全体の60%ほどといわれています。フロスを使っても80%ほどで、なかなか100%の汚れを自分で落とせません。

そのためしっかり全体の汚れを落とすためには歯科医院で専門的な器具で歯と歯肉の間の汚れや歯石を除去することが必要です。

当院でのメインテナンスの内容は主に

◯口腔内診査

→拡大鏡を使って新しくむし歯ができていないかチェックしたり、定期的にレントゲン写真を撮影してむし歯や歯周病の状態をチェックします。

◯スケーリング、SRP

→磨き残しでできた歯石をとります。

歯石があると細菌が繁殖し歯周病が進みます。

◯PMTC

→専用の器具で歯の表面を滑沢化させて細菌が付きづらいようにします。

◯ブラッシング指導

→おすすめの歯ブラシを処方したり、患者さんの口腔内に合った磨き方をアドバイスします。

歯周病が進むと骨を再生させるのは困難です。

歯科医師も歯周病で溶けてしまった骨を再生させられるようにオペの練習をしたり日々研鑽を積んでおりますが治療には限界があります。

元通りに戻すことはなかなか難しいです。

また歯周病が進み、歯を抜くことになるとインプラントや入れ歯になりますが、やはり自分の歯で噛む感覚は取り戻すことはできません。

そのため定期的なメインテナンスで歯周病が進行しないように予防することが重要です。

30〜40分の時間でメインテナンスする歯科医院が多いかなと思いますが当院では1時間の時間をとり、しっかり全体をメインテナンスしています。

歯科衛生士がメインテナンスを主に行いますが、当院の歯科衛生士は月1回、衛生士研修を受けたりセミナーに行ったりと日々患者さんの歯周病を食い止められるように知識、技術を身につけております。

歯周病で困ったことがあれば、歯科医師だけでなく日々メインテナンスしている歯科衛生士にもお気軽にご相談ください😊

お待ちしております。

メインテナンスで口腔内写真を撮る理由は?

2024年12月6日

こんにちは!保育士の奥村です!☺️

歯科医院で歯周病のメインテナンス中にお口の写真を撮影することにはたくさん理由があります。

1. 記録の保持

口腔内写真を撮影することで、患者さんの歯や歯茎の状態を正確に記録できます。これにより、次回の来院時に状態の比較がしやすくなり、治療やメインテナンスの進捗を確認できます。

2. 問題の早期発見

歯石の蓄積や歯周病、虫歯の初期症状など、肉眼では見落としがちな部分も写真で確認できます。これにより、治療が必要な箇所を早期に発見しやすくなります。

3. 患者さんへの説明

写真を用いることで、患者さんに口腔内の状態を視覚的に説明できます。たとえば、
• 歯石のつき方
• 磨き残し
• 歯茎の腫れ具合
• 歯の摩耗やひび割れ

を直接見てもらえるので、患者さんの理解が深まり、治療やセルフケアへの意識向上につながります。

4. 治療計画のための資料

治療計画の作成時にも、口腔内写真は重要な資料となります。特に矯正治療やインプラント治療のような長期的な治療では、初期状態の記録が必要です。

5. 口腔内の状況の共有

歯科医師や歯科衛生士、助手間で患者さんの状態を共有する際に、写真があれば正確な情報を基に話し合いができます。治療ミスを防ぐことにもつながります。

当院では、患者さま一人ひとりのお口の健康をしっかりサポートするため、必要に応じて口腔内写真の撮影を行っています。もちろん、撮影前には丁寧に説明し、患者さまの同意をいただいた上で行いますのでご安心ください。

これからも、みなさまのお口の健康を守るお手伝いをしていきます!
気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談くださいね。🦷

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