妊娠時の口腔内の変化について
2024年12月27日
皆さんこんにちは!歯科衛生士の嶋です。
今年も残りわずかとなりましたが、お身体に気をつけて良いお年をお迎え下さい😊
みなさん、妊娠時期は身体とお口の中にもあらゆる変化が起こることはご存知でしょうか?そこで、今回は妊娠時の口腔内の変化についてお話しします。
【妊娠中に気をつけたいお口の症状について】
〈唾液の質の変化〉
妊娠状態を保つための女性ホルモン(プロゲステロンとエストロゲン)が働き、唾液の性質がネバネバする特徴があります。本来、唾液には口の中の汚れを落とす自浄作用がありますが、ネバネバした唾液は自浄作用が低下している状態なのでむし歯菌が増えたり口内環境が悪化することがあります。
〈女性ホルモン分泌の増加〉
女性ホルモンが血液中にたくさん増えることで、歯周病菌が活発になり妊娠性の歯肉炎になりやすくなります。妊娠性歯肉炎は妊娠初期に発症しやすいと言われています。
〈免疫反応の低下〉
妊娠すると炎症、出血が起きやすくなります。胎児を異常とみなさないように、免疫反応が一時的に低下し、細菌に対する抵抗力が低下します。
〈虫歯のリスク〉
つわりで気持ちが悪いと歯みがきをするのが難しくなることがあります。また、つわりの一症状である嘔吐で胃酸が逆流すると口の中が酸性になりむし歯が出来やすい環境になります。
【胎児に影響があるリスクについて】
妊婦さんの口腔の変化は胎児に影響する場合もあります。進行した歯周病が早産や低体重児出産のリスクを2〜4倍程度高めることが報告されています。理由は、歯周病菌が血液中を循環して子宮内で炎症を起こしたり、炎症性物質の産生によって子宮の収縮が誘発しやすいからです。
【妊娠中のお口のケアについて】
妊娠中は体調面に大きく変化があるので、どのようにケアをしたらいいか悩まれている方もいると思います。そこで、お口のトラブルを減らせるようにご自宅で出来る予防方法をお伝えします!
●つわりがひどい時の歯磨きは、「食べたら磨く」ではなく「体調が良い時にしっかり磨く」ようにしましょう。歯磨きが辛くてできない時は、うがいをするだけでも口の中を酸性から中性に近づけられます。できる範囲で、口の中を清潔に保ちましょう。
●ヘッドの小さい歯ブラシは、つわりがある場合も奥歯まで磨くことが出来ます。
●マウスウォッシュで虫歯、歯周病予防
当院おすすめのマウスウォッシュ
〈フッ化物洗口液〉
無味なのでつわり中も安心して虫歯予防が出来ます。
〈ポイックウォーター〉
たんぱく汚れの分解と除去率が高いので虫歯や歯周病予防が出来ます。
〈ハビットプロモンダミン〉
虫歯、歯周病菌の殺菌、歯茎の炎症と出血を防ぐ働きがあるので虫歯や歯周病予防が出来ます。
当院では、メインテナンスを受けながら妊娠時期のお口の状態に合わせたセルフケア方法もお伝えしています。事前の予防対策をすることで、患者様の全身と胎児の健康を守ることに繋がります!
不安なことや悩んでいることなどあればぜひ当院にお越しください。