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親知らずの抜歯について

2023年06月17日

院長の佐藤です。

本日は、親知らずの抜歯について、歯科医師側的な事を書いてみます。

親知らず、特に下の抜歯は、とても深い口の奥にあり、神経や血管が近くを走行しているため、非常に難易度の高い手術です。

そのため一般的な歯科医院では、親知らずの抜歯を行っていない場合もあります。リスクが高い割に、痛い、腫れるなどデメリットが大きく、医院のメリットがほとんどないのもあります。

私自身は、下の親知らずの抜歯は現在行なっていません。

何故行わなくなったのか、その理由をお話しします。
私は卒後大学病院の口腔外科に所属していましたので、年間1000本を越える抜歯を行ってきました。とんでもなく難しい抜歯も多々ありましたので、ほとんどの親知らずは抜ける自信があります。大学病院では、抜歯後、腫れて痛い中で消毒に来てくれる患者さんは、いつも感謝の言葉をくださいます。

開業後、抜歯の技術が身についているため、親知らずの抜歯が必要な患者さんは、大学病院へ紹介はせず、当院で抜歯を行っていましたが、同じように抜歯しても、消毒の際に、思ってた以上に痛い、腫れた、などと言われることが多く、感謝の言葉をいただく事はほとんどありません。

そこで、私は何故だろうと考えました。
当院で抜歯する場合、初診後、私の予約で次の回ですぐに抜歯できます。CTが必要な場合でも、抜歯当日に撮ることが出来ます。

大学病院では、紹介後、再度初診で受診していただき、その際にレントゲンを撮り直し、数枚にわたる抜歯の承諾書を30分程度かけて説明し、サインをいただく。その後、もしCTが必要な場合は、別日でCTだけを撮りに来ていただく。その後に抜歯ですが、私のような新人でも、予約日は3ヶ月以上先になります。ご存知の通り、大学病院は、予約時間を過ぎてお待たせすることが多々あり、受付からお会計までかなりの時間を要します。
消毒、抜糸も同様です。
親知らず一本抜くのに、患者さんはかなりの労力を要します。

私は、その不便さを、当院で抜歯する事により簡便化出来るため、患者さんにとってメリットが大きいと思い、抜歯を行ってきましたが、実は逆だったのです。

簡便に出来るからこそ、抜歯の大変さが伝わらず、抜歯後の大変さに驚き不満につながる。
抜歯をするまで大変だからこそ、抜歯後に大変でも感謝に繋がる。
同じ行為をしていても、それまでの過程により感じ方は大きく異なることが分かりました。

ですので、大変で煩雑でも、当院で抜歯するよりも紹介して口腔外科病院で抜歯してもらった方が、我々、患者さん双方にとって良いということが分かりました。

それが、私が抜歯を行わなくなった理由です。

ただ、現在は口腔外科出身の先生が来てくださるので、患者さんのためにその嫌な役回りの親知らず抜歯を行なってくださっています。本当に頭が下がります。

患者さんが親知らず抜歯で大変な思いをして、文句の一つも言いたくなる気持ちも十分分かりますので、その分我々は、抜いてくださる先生に敬意を表し、感謝を述べたいと思います。

いつも親知らずの抜歯をしていただき、本当にありがとうございます。

院長 佐藤博章

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