親知らずが生えたら
2021年08月22日
こんにちは!!
歯科助手・トリートメントコーディネーターの川上です。
今回は、親知らずについてお話したいと思います。
◎親知らずとは
親知らず(おやしらず)とは、大人の奥歯(大臼歯)の中で最も後ろに位置する歯であり、医学的には第三大臼歯が正式な名称で、智歯(ちし)とも呼ばれています。親知らずは最前方の前歯から数えて8番目にあり、永久歯(大人の歯)の中で最後に発育します。永久歯は通常15歳前後で生え揃いますが、親知らずは生える時期が10代後半から20代前半であり生えてくる時期も人それぞれであることが特徴です。時期同様、本数も人それぞれです。親に知られることなく生えてくる歯であることから、その名前の由来だとも言われています。親知らずは傾斜してまっすぐに生えてこなかったり、水平位に埋伏したりするなど、高頻度に萌出異常を起こします。親知らずが萌出異常を起こしやすい理由には、「昔の食生活が大きく関わっていると」されている。調理技術もなかったような大昔には、人間も木の実や生肉など、硬いものを中心に食べて生活していました。その為、食べ物はよく噛む必要があり、顎の骨もよく発達していた為、親知らずも正しい場所に生え、その役割を果たしていました。しかし調理技術も進歩し、柔らかいものを食べられるようになった為、人間の顎が小さくなっていってしまい、親知らずの生える場所がなくなってしまったのも原因の一つと考えられています。
親知らずは一番奥に位置するので、ブラッシングが行き届かず、虫歯になりやすい歯でもあります。
◎親知らずの生え方、種類
現在では、親知らずが正しく生えている人は3割程度で、残りの7割の人は親知らずが斜めに生えたり埋伏したりしています。
・正常
親知らず以外の歯と同じように、垂直に生えています。
・埋伏
歯茎の中に完全に埋まっている状態のです。
・半埋伏
斜めに生え出てきてしまったことで、歯茎から歯の一部が顔を出している状態のことです。
◎抜歯しないケース
親知らずが上下で正常に生えて噛み合っている場合は、特に抜く必要がありません。
親知らずが原因で不快症状が出たり、周りの歯に影響を与えるような場合は抜くことを考える必要があります。
◎抜歯した方がいいケース
・親知らずに虫歯や歯周病の進行が確認でき、腫れや痛みを繰り返している状態
・先天的な欠損や抜歯によって上下に噛み合う親知らずがない状態
・親知らずが手前の奥歯に向かって中途半端に生えている状態
横向きや斜めに生えると、歯肉が部分的に被ったままの状態になり、その部位は清掃が難しい為、不潔になり易く虫歯や歯周病、炎症のリスクを高めます。歯茎に埋まっているタイプは膿の袋を作るリスクがあります。
親知らずが原因で起きる歯肉の炎症を「智歯周囲炎」と呼びます。
それ以外にも、手前の奥歯との間に食べ物が詰まる場合や噛み合わせを悪くしている場合などの問題が見られる場合には、抜歯が必要になるケースがあります。
当院は、CTや痛みを感じにくくリラックスした状態を作り出す笑気麻酔や止血効果や傷の治りを促進するCGFという方法を使用することもできます。
親知らずが生えてきたり、困っていることがあればお気軽にご相談下さい。