金属アレルギーについて (食べ物の関係性)
2021年11月22日
こんにちは! 歯科技工士の川村です👩🔧🦷!
すっかり日が落ちるのも早くなりキンと冷える朝になってきましたね!
本日は二十四節気の一つとされる、『小雪(しょうせつ)』の日です!北日本では、
そろそろ初雪が降る頃とされているそうです⛄❄
さて、今回は金属アレルギーについてです。金属アレルギーについては、
症状や原因によって 2種類存在します。
通常、金属アレルギーといえば、ネックレスや指輪、イヤリングなど
金属が直接肌に触れた部位に赤みや、かゆみなどを引き起こすものを、
【接触皮膚炎】と呼ばれています。
接触皮膚炎の主な原因は、発汗の多い夏に増加しやすいと言われています。金属は、身に着けるアクセサリーや触れる機会の多い硬貨だけでなく、調理器具から医療器具まであらゆる所で使用されており、私たちの生活に欠かすことの出来ないものです。
もう1つは、今回のテーマでもある金属アレルギーと食べ物の関係性についてのお話になります。
お口の中に入ってから、体に吸収される間で起こる金属アレルギー反応の事を【全身性金属皮膚炎】と言います。
歯科治療で使用された銀歯などの金属が原因で起こり、口の中で唾液と金属イオンが反応し、口の中の粘膜や消化管を経由して、 全身に起こる金属アレルギーのことです。
なぜ金属でアレルギー反応が起こるの?
体のタンパク質が、銀イオンを 「異物」とみなすことによって、アレルギー反応が生じ、唾液から様々な場所に運ばれ、元々あるタンパク質が銀イオンに攻撃をしかけて、痒みだったり、戦いに敗れたタンパク質の変性によって、皮膚がウミや水ぶくれが出来てしまいます。
主な症状
・手足にウミがでる
(掌蹠膿疱症 しょうせき のうほうしょう)
・手足に水ぶくれができる
(汗疱状湿疹 かんぽうしょう しっしん)などがあります。
金属アレルギーは、日本人10人に1人が発症しているといわれる程、一般的な皮膚疾患で大人になってから突然発症する場合もあります。
ちょっと待って!いつも食べている食品に金属が…!?
人間の体には生命維持として必要な栄養素は沢山あります。ほんの僅かな量でも体内での
バランスを崩してしまうと、金属の元素特有の症状が現れることがあります。
例えば、穀物や野菜、豆類、肉や魚、そして海藻類といった幅広い食品類の中には金属は僅かに存在していて、
体の各機能を支えています。
ニッケル…鉄の吸収
コバルト…ビタミンB12
クロム…インシュリンの活性化
マンガン…SOD酵素(活性酸素を除去する酵素)
亜鉛…酵素・皮膚・成長
銅…酵素
普段から口にする食材ばかりですよね!
ほんの一部に過ぎませんが、医師の指導無く食事制限を行うと栄養の偏りや不足により、
体調が悪くなってしまうかもしれないからです。また、生活する上で意識しすぎると精神的な負担にもなります。
「この湿疹は普段食べてるあれが原因?」と心当たりがある方は、まず医師に診察・検査していただき、
関連性が疑われてから指導のもと取り組むという流れになります。
金属に代わる新素材…!?
また、将来的に金属アレルギーになる可能性も否めないことを考慮して、金属を一切使用していないセラミックス系を用いる治療方法に変わりつつあります。その中でも≪ジルコニア≫という素材は、近年飛躍的に研究が進み、歯の治療において用いる機会が激増しています。
ジルコニアと人体への関連性としては、人工関節に使用されていることも多くあり、その為、体に馴染みやすく、拒否反応を起こさないものとして、生体親和性にとても優れています。特に強度も優れているため、適応できなかった症例でも治療が広がるなどといった可能性を秘めた素材になっています。
主にジルコニアは、
🔸割れにくい、壊れにくい(強度がある)
🔸体に優しい安全な材料(金属アレルギーにならない)
🔸歯が白く透明感があり、審美的(見た目が自然)
🔸変色が少なく、歯ぐきの変色も起こさない(半永久的に審美的)
🔸汚れが付きにくくて、清潔
となっています。
保険の銀歯の詰め物から白い歯へ!
下記の写真は、保険の金属のインレーから自費のジルコニアのインレーへ変更し、
製作した時の写真になります。見た目の問題や、銀歯が入っている時の天然歯から金属色が薄く見えている部分を
ジルコニアに代える事によって透明感が上がり、つや感も増しています。複数ある金属歯の場合などは、より金属イオンが口腔内に広がる可能性が高いです。
今回、金属アレルギーについて(食べ物の関係性)のお話をさせていただきましたが、
日々の食事のあり方と見直しと共に、長くお口の中で活躍する歯の選択肢として
金属の全身性への関わり方を知っていただけたら幸いです。