☆歯がない方の口腔内清掃のやり方☆
2017年11月25日
こんにちは☆歯科助手の川上です。
いよいよ本格的に寒くなってきましたね。
さて今日は、無歯顎(歯がない方)の口腔内清掃のやり方についてお話したいと思います。
歯がないから磨く必要がない。入れ歯をしっかりと掃除してるから大丈夫だ。と思ってる方が多いと思います。歯がなくてもお口の中のケアはとても重要です。歯がない事によって起こる口腔粘膜の危険性や行って欲しい口腔ケアなどについてご紹介します。
入れ歯と接している歯茎や上あごには、入れ歯と歯茎の隙間に侵入した食物残渣(食べ残り)や細菌が付着しています。
粘膜の清掃を怠り不潔なままにしておくと、汚れの中で細菌が繁殖し気管を通って細菌が肺へと侵入し、肺炎を引き起こすという恐れがあります。
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)という言葉を聞いた事はありますか?
日本人に多い死因として、がん、心筋梗塞、脳卒中に次いで、肺炎・気管支炎が挙げられます。
高齢者の肺炎は、口の中の細菌などが誤って肺に入って発症する「誤嚥性肺炎」の割合が高いと言われています。誤嚥性肺炎は、食べ物が誤って気道に入ってしまったり、唾液を飲み込む際に口腔内の細菌が誤って肺に入ってしまったりして起こるものです。また、高齢者は睡眠中などの知らない間に、唾液を誤嚥していることがあります。その際に口の中の細菌が軌道の中に入り込んでしまったことで、誤嚥性肺炎を起こすことがあります。
また、唾液が減少すると粘膜の免疫力が低下します。歯茎に歯が無くなり、入れ歯が乗っているだけの状態では刺激が伝わらない為、歯茎の退縮が起こりはじめます。
歯茎の盛り上がり(顎堤)が少なくなると、入れ歯を安定させる吸着力が働きにくく、作成した入れ歯と形も合わなくなり、安定しづらくなってしまいます。
唾液には、体内に侵入しようとするウイルスや細菌の活動を抑制する抗菌作用によって身を守る「免疫システム」があります。
歯茎が歯ブラシによる刺激を受けないでいると、唾液の分泌量が低下し、粘膜の免疫力が低下してしまうのです。人間が持つ優れたこのシステムも、お口の中が不潔のままでは機能してくれないのです。
☆口腔内清掃☆
①義歯を取り外します。
※義歯も義歯ブラシなどを使って流水下で綺麗磨きます。
②うがいなどで食物残渣を除き、口腔内を湿らせます。スポンジブラシでお口の頬の内側や唇の内側、歯茎、上あご、舌などの汚れをやさしく取り除きます。
③歯ブラシを歯面に軽くあて、振動させるように磨きます。)ペングリップで持つと適切な強さになる)義歯との境の部分、歯の裏側も丁寧に磨きます。※③は部分義歯の方
④舌や粘膜をスポンジブラシ等で拭います。
⑤うがいやガーゼで清拭を行い、さっぱりとした状態で終了です。
☆マッサージ☆
まずは手を綺麗に洗って下さい。
人さし指の腹で、歯茎と口の粘膜の境目をゆっくりと押し撫でていきます。下の奥から前へ左右両方、2−3回行います。
そして、上の歯ぐきも同様にゆっくりと押し撫でていきます。
人さし指と親指で歯茎をつまむように挟んで圧迫するようにマッサージをします。
人さし指を使って、お口の中からほうれん線を伸ばすようにマッサージします。奥から手前に皮膚を引っ張り伸ばすようにゆっくりと前に持ってきます。
歯があってもなくても定期的に歯科医院で検診を受ける事をオススメします。