歯周病とは・・・?
2017年10月21日
こんにちは。
歯科医師の吉です(^ ^)
今週は雨天と寒さが続き,秋というより冬という感じで,風邪を引かないように気をつけたいです.
さて,今回は歯周病についてお話しをしたいと思います.
現在,歯周病という単語は認知されつつありますが,昔は歯槽膿漏(しそうのうろう)という呼び方がされていました.
・歯周病はどんな病気なのでしょうか?
歯周病は,細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です.
歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると,そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積)歯肉の辺縁が「炎症」を帯びて赤くなったり、腫れたりします(痛みはほとんどの場合ありません).
そして,進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり,歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければいけなくなってしまいます.
・歯周病の原因は何か?
お口の中にはおよそ300~500種類の細菌が住んでいます.
これらは普段あまり悪いことをしませんが,歯磨きが充分でなかったり,砂糖を過剰に摂取したりと細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます.
これを歯垢(プラーク)と言い,粘着性が強くうがいをした程度では落ちません.
この歯垢(プラーク)1mgの中には10億個の細菌が住みついていると言われ,むし歯や歯周病をひき起こします.その多数の細菌の中でも,歯周病をひき起こす特定の細菌がいることが判明しています.
歯垢(プラーク)は取り除かなければ硬くなり,歯石と言われる物質に変化し歯の表面に固く付着します. これはブラッシングだけでは取り除くことができません.この歯石の中や周りに更に細菌が入り込み,歯周病を進行させる毒素を出し続けます.
・歯周病が進行する原因
歯周病を引き起こす主な原因は細菌ですが,歯周病が進んでしまう要因はたくさんあります.
- 歯ぎしり,くいしばり,かみしめ
- 不適合な補綴物や義歯
- 不規則な食習慣
- 喫煙
- ストレス
- 全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常)
- 薬の長期服用
上記意外にも,歯周病と関係する要因はありますが,細菌の除去と共に,歯周病の進行因子を改善することも,歯周病治療にとっては大事です.
・歯周病は治るの?
現在では歯周病は,予防もできるし治療も可能です. 大切なのは予防,診断,治療,そしてメンテナンスです.
現在,歯周病治療は急速に進歩をしています. 以前は「不治の病」と言われていた歯周病も,現在では進行を阻止することが可能となり,健康をとりもどすことができるのです.
まず、歯周病の主な原因は歯垢(プラーク)ですから,それをためずに,増やさないことが重要です.3か月に一度の定期的なメインテナンスは有効だと言えます.