歯の被せ物が取れてしまった!被せ物の下の歯はどうなっている?
2026年07月18日
こんにちは、歯科医師の飯田です。
最近は温度が高くなってきているのにまだジメジメして過ごしにくい日が続いています。
疲れなどが溜まりやすいので、健康管理には気をつけてください。
今日はよく歯科に来院する一歩目で多いのではないかと思う被せ物が取れたについてお話ししていきます。
「食事中に急に被せ物が取れてしまった。」
「痛みはないけれど、このまま様子を見ても大丈夫?」
「被せ物が取れたということは、この歯はもう抜かなければいけないの?」
被せ物が取れると、不安になってしまいますよね。

実際に診療をしていると、「もう抜歯しかないと思っていました」と来院される患者さんも少なくありません。
しかし、被せ物が取れたからといって、必ずしも抜歯になるわけではありません。
一方で、「痛みがないから」と様子を見てしまうことで、歯を残せる可能性が低くなってしまうこともあります。
まずは、被せ物が取れた原因を調べることが大切です。
被せ物の下の歯はどうなっているの?
被せ物は、ご自身の歯を削って形を整え、その上から装着しています。
そのため、外れた後は小さく削られた歯や土台だけが見え、「歯がほとんどなくなってしまった」と驚かれる方もいらっしゃいます。
しかし、見た目だけで歯の状態を判断することはできません。
被せ物の下では、
* 虫歯が再発している
* 歯が欠けたり割れたりしている
* 土台が外れている
* 根の先に炎症が起きている
など、さまざまなことが起こっている可能性があります。
そのため当院では、まずレントゲンや必要に応じてCT撮影を行い、「なぜ被せ物が取れたのか」を確認したうえで治療方針を決めています。
被せ物は、そのまま戻せることもあります
被せ物が取れた原因が、接着剤(セメント)の劣化だけであれば、状態によってはそのまま装着し直せることがあります。
一方で、被せ物の下で虫歯が進行していたり、歯が欠けていたりすると、付け直すだけでは再び外れてしまう可能性があります。
「被せ物が取れた」という出来事は、歯からのサインかもしれません。
だからこそ、ただ元に戻すのではなく、原因まで確認することが大切です。
歯を残せる可能性がある場合
虫歯が大きく進行すると、被せ物を支える歯の高さが足りなくなることがあります。
以前は抜歯が選択されることも多かったケースでも、現在では歯の状態によって保存できる可能性があります。
例えば、エクストリュージョンでは、歯の根を少しずつ引き上げ、歯ぐきの中にある健康な歯質を利用できる状態を目指します。
また、クラウンレングスニングでは、歯ぐきや骨の形を整え、被せ物を安定して支えられる環境を作ることがあります。

さらに、根の中に感染が認められる場合には、マイクロスコープやラバーダムを用いた自費根管治療をご提案することもあります。
もちろん、これらの治療がすべての方に必要なわけではありません。
歯の状態や噛み合わせ、ご希望などを踏まえ、その歯にとって最適な方法を一緒に考えていきます。
残念ながら抜歯をおすすめすることもあります
私たちは、できるだけご自身の歯を残したいと考えています。
しかし、すべての歯を無理に残すことが良いとは考えていません。
例えば、
* 歯の根が縦に割れている場合
* 歯を支える骨がほとんど失われている場合
* 虫歯が深く進行し、長期的な保存が難しい場合

このようなケースでは、無理に歯を残すことで、周囲の歯や骨に負担をかけてしまうことがあります。
そのため、将来のお口全体の健康を考えた結果として、抜歯をご提案することもあります。
大切なのは、「残すこと」そのものではなく、患者さんにとって最善の治療を選択することです。
被せ物が取れたら、まずはご相談ください
被せ物が取れても痛みがないことは珍しくありません。
しかし、その間にも虫歯や歯の破折が進行し、治療の選択肢が少なくなってしまうことがあります。
被せ物が取れたときは、「付け直せるかな?」だけではなく、「今の歯の状態はどうなっているのか」を確認する良い機会でもあります。
当院では、現在の状態を丁寧に診査し、付け直しで対応できるのか、歯を残すための治療が必要なのか、あるいは抜歯を含めて考えた方が良いのか、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすくご説明しています。
被せ物が取れてお困りの方や、他院で抜歯と言われて悩まれている方も、お気軽にご相談ください。






