2022年02月14日
こんにちは。歯科医師の堀井です。
今回は歯磨きについてお話ししたいと思います。
私たちは食事のあとや寝る前に、当たり前のように歯磨きをしていますが、
みなさん歯磨きは何のためにしていますか?
歯みがきの一番の目的は、細菌のかたまりである「歯垢」を落とすことです。
歯垢はプラークとも呼ばれます。
虫歯や歯周病のなどの病気が発症する根本の原因は、プラークの中に存在する細菌であり、健康維持には歯磨きによるプラーク除去効果を高めることが有効です。
プラークとは、食べものの残りカスが歯の表面につき細菌が繁殖したもので、白くねばねばしています。食後8時間程度でプラークができるといわれ、プラーク1mgのなかには、およそ300種類1億個ものの細菌が存在しています。
プラークは粘着力があり、水に溶けないので、直接歯を擦らないととることができません。
歯の表面だけでなく、歯と歯ぐきの境目にもプラークはたまります。プラークの細菌は、歯根に添って歯ぐきの奥深くまで繁殖していきます。細菌の作り出す毒素によって、歯を支えている骨(歯槽骨)がダメージを受けて、溶けてなくなっていくのが歯周病です。
歯周病は口腔常在菌の中の歯周病原菌の数が増えることで発症します。
またプラークは口臭の原因になることもあります。プラークに含まれる細菌が、硫化水素(温泉のガスのような臭い)やメチルメルカプタンといった臭いの強いガスを作ります。またむし歯やその周囲の食べかす、歯周病が進行したときに歯周ポケットから出る膿みも嫌な臭いを発するため、口臭の原因となると考えられています。
口の中にプラークをなるべく残さないためには、毎日の歯磨きが重要です。
また寝ている間は唾液の分泌量が減り、口の中の細菌が増えるので、夜寝る前には、とくに丁寧に歯をみがくことが重要です。
歯科医院では歯磨き指導を行なっております。
歯磨き指導を受けていただくことはたくさんのメリットがあります。
・磨き残しを把握できる
自己流の歯磨きでは、磨き残しになりやすい場所が出てきます。磨き残しになりやすい場所は人によって違いがあり、磨き方だけでなく歯並びや使用する歯ブラシの違い、利き手などによっても違います。自分のうまく磨けていない場所を把握することが大切です。
・歯磨きのコツを習得
歯の向き・生え方・形状は、皆さん違っています。磨く箇所に応じて適切な歯ブラシの当て方や動かし方が求められます。 正しい歯の磨き方やコツを習得することによって、効果的にプラークを除去できるようになります。
・正しいブラッシングの維持
定期的な歯磨き指導により正しいブラッシングを維持することは、「口腔内を清潔に維持できる」「口の中の変化を確認できる」といったメリットがあり、長期的な健康維持につながります。
毎日の歯磨きの質を向上させ、定期的にチェックやクリーニングを受けることが、予防効果を高めます。