酸蝕症について
2019年11月20日
皆さんこんにちは!
歯科医師の上柳です。
だいぶ寒くなり、冬が近づいてきましたね。
今日はう蝕(虫歯)、歯周病に続く第3の歯の疾患といわれている酸蝕症についてお話します。
皆さん、酸蝕症について聞いたことはあるでしょうか。
う蝕(虫歯)は口腔内の細菌により歯が溶けるのに対して、酸蝕症とは主に普段口にする食べ物や飲み物に含まれる酸によって歯が溶かされることによって生じます。
普段、私たちの口の中はpH6.8~7くらいの中性の状態ですが、酸を多く含むものを摂取すると酸性になります。
歯の表面のエナメル質は口の中が酸性になり、pH5.5を下回ると溶け始めます。
〇酸を多く含む食品
・お酢
・炭酸飲料
・柑橘系の果物
・フルーツジュース など
これらの食品を摂取する頻度や時間が長いと、酸蝕症のリスクが大きくなります。
また、酸を摂取した後はエナメル質が軟らかくなるため、歯ブラシで強く磨くと歯へのダメージが大きくなります。
〇その他食品以外が原因での酸蝕症
・酸を使用している職場で働いている方
・逆流性食道炎や過食等による胃酸が影響で生じる方
〇酸蝕症の症状
・歯がしみる
・歯の色が黄色くなる
・前歯の先端が欠けてしまった
・歯のツヤが無くなった
・歯に穴が空く
〇酸蝕症の予防方法
・酸性の強い食品の過剰な摂取は控える
・ダラダラ食べやダラダラ飲みは控えて時間を決める(お口の中が常に酸性になるのを防ぐ)
・酸性の食品を間食で摂取した場合はすぐにお水でブクブクうがいをする(お口の中が中性に戻る助けになる)
・よく噛んで食事をする(よく噛むことで唾液の分泌量が増え歯の再石灰化を促進させる)
・定期的に歯科医院で検診を受ける(歯の表面に異常が
ないかチェックする)
健康のためにお酢や果物を摂取している方もたくさんいらっしゃると思いますが、その一方お口の中では酸蝕症というリスクが高まっている可能性もあります。
定期的なお口の中のチェックはとても大切です。
気になることがありましたらお気軽にスタッフまでお声がけください。