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CTの有用性

2018年03月3日

こんにちは!
受付・保育士の草間です(^_^)

今回は、CTの有用性についてお話したいと思います。

◇まず、CTとは?

CTとは、コンピューター断層撮影法(Computed Tomography)の略で、レントゲン撮影のデータをコンピューターで処理、画像再構成を行い、立体的(三次元)に骨の状態や神経の位置を把握できる特殊な撮影装置です。

従来のレントゲン画像は、一方向からの影絵のようなものでした。しかし、歯科用CTを用いることで、歯や顎の骨を三次元的に画像化することで立体的に捉えることができるようになり、従来の二次元的レントゲン画像では重なってしまってはっきりと見ることができなかった部分も、見分けることができます。
また、顎の骨の厚みや細部の凹凸などを立体的に捉えることもできます。そのため従来のレントゲン画像では分からなかった病巣や歯・骨の状態などを様々な角度から見ることができ、より多くの詳細な情報をもとに、より正確な診断を行うことが可能になりました。

◇CTとレントゲンの違いは?

いずれも目に見えない内部組織を撮影するということは同じですが、目的や得意な分野、被曝量、費用など、様々な違いがあります。
レントゲンは平面的に写るので縦方向の疾病や症状は見ることができますが、水平方向の疾病や症状はどの程度なのかを把握することができません。水平方向の状態はすべて重なって撮影されますので、色の濃淡で前方にあるのか後方にあるのかを判断します。
一方、CTは立体的に撮影するので、病巣の位置や骨の内部、歯と顎の関係などすべてが手に取るように分かります。レントゲンを読み解くにはかなりの臨床経験を積む必要がありますが、CTは患者さんの目から見ても分かりやすい画像で表示されます。
歯科医院では、検査を始める前や治療を開始する前に、全体像を把握するためにレントゲンを撮影します。レントゲン撮影をしたうえで、どうしてもCT画像が必要なときだけ、CTを撮影することになります。
通常の虫歯治療や噛み合わせの確認などではレントゲンだけを用います。ですが、人工歯根を外科的に埋めていくインプラントを実施する前の術前診断や歯槽骨欠損部の正確な把握、根管治療における診断、抜歯時に歯根が折れてしまったときの診断などにおいては、縦方向だけでなく水平方向も正確に判断できるCTを用います。また、顎関節に異常が見られるときや顎関節の外科的手術が必要なときなども、CT撮影を実施することがあります。

◇CTの有用性

レントゲンでは全体像や漠然とした形だけしか分かりませんが、CTを用いると今まで突き止められなかった病気の正体などが分かることもあります。

1.インプラントの術前検査
当院ではインプラント治療の前に、CTデータによるシミュレーションを行います。今までは歯ぐきを切開してみなければ分らなかったことが、手術前にすべて分かってしまうことが特徴です。骨の厚さや血管の位置などが事前に分かることで、手術前に様々なシミュレーションが可能になります。どの部分にどのサイズのインプラントを埋入するのか、血管・神経を避けるにはどの部分に埋入するのが適切かなどを把握することができます。
以前までのインプラント手術は、歯科医師の経験や勘に頼った部分が多くありました。
しかし、CTを上手に活用することで、「経験や勘」といったあいまいなものに頼るのではなく、寸分の狂いのない「データ」に基づいた手術が可能となり、安全性・正確性が格段に向上することになっています。これにより万全の態勢で本番のオペに臨むことができるようになっています。
インプラントを入れるときは、どの程度の太さでどの程度の長さの人工歯根が適切かを判断することが重要になります。レントゲンだけでは歯ぐき上部から神経までの距離や顎の骨の厚みなどを正確に測ることができないので、歯科用CTを用いて正確に検査をします。

2.歯根破折
歯根破折とは、歯根部が割れたりひびが入ったりすることです。割れた部分がレントゲンに写れば良いのですが、水平方向にひびが入っているときなどはレントゲンで確認することができません。だからといって、歯ぐきを切開して確認するのは大変です。そのようなときにはCTが威力を発揮します。どのような方向に亀裂やひびが入っていても、CTなら詳しく撮影することができるのです。

3.副鼻腔炎
上顎の歯根部付近に広がる空洞が副鼻腔です。この部分に炎症が起こると、歯の痛みなのか副鼻腔炎なのか判別することが難しくなります。レントゲンでは空洞にしか写らないので炎症の正体を突き止めることはできませんが、CTなら炎症部分を確認し、副鼻腔炎の治療を開始することができます。

4.歯根部の膿
歯根の先端に膿が詰まっていると、歯ぐきの腫れや痛みの原因になります。下の歯の歯根部に膿が詰まっているときはレントゲンでも確認しやすいのですが、上の歯の歯根部には他の組織も重なって写っているので、膿部分をレントゲンで確認することは難しくなります。ですが、歯科用CTなら、下も上も簡単に膿を特定することができます。痛みの箇所が分かりにくいときは、CTが頼りになるのです。

5.根管治療
歯の神経を抜いて根管治療をするときも、歯科用CTを用いることで痛みの再発を防ぐことができます。歯の根は複雑な形をしていることも多く、1本だけのこともありますが2~4本に分かれていることもあるので、破片が残らないように丁寧に抜き、空洞部分に薬剤を詰めていかなくてはなりません。
ですが、手の感触だけに頼っていると、歯の破片が残ったり薬剤を詰め忘れたりすることがあります。薬剤がしっかりと詰まっていないと細菌が繁殖し、再度、痛みや腫れを引き起こしてしまいかねません。目や手の感触だけでは分からない部分を正確に知るためにも、歯科用CTの撮影が必要になるのです。

6.親知らずの抜歯前検査
親知らずならすべて抜いてしまっても良いというわけではありません。特に下の親知らずの根周辺には神経や血管が入っている下顎管がありますので、抜歯によって下顎管が傷つくと想定されるときは抜歯以外の治療を考えなくてはいけません。
レントゲンでも下顎管の位置をある程度特定することができますが、親知らずの根に近いかどうかを正確に知るためにはCT撮影も実施するほうがより正確な判断ができるでしょう。

7.過剰歯の測定
過剰歯とは、永久歯が普通以上の本数があることです。そのまま生えてしまうと、歯並びが悪くなったり、必要な歯が生えて来られなくなったり、歯ぐきの横側や内側などの正常でない場所から生えてしまったりすることにもなります。
その場合は、歯ぐきの内部にある時点で抜歯するのが良いのですが、レントゲンでは正確な位置をとらえることが難しく、不必要な部分まで切開することにもなりかねません。歯科用CTを使って過剰歯の正確な位置をとらえ、歯ぐきを切開する部分を最小限にして過剰歯の抜歯を実施します。

◇当院では

当院では、歯科用CT「ベラビュー エポックス(Veraviewepocs)」を導入しております。
高解像度での撮影が可能で、コントラストや濃度など鮮明な画像を得るために重要な複数の条件を自動でコントロールします。さらに、短時間に少ないX線照射線量で撮影するため、患者さんへの負担を最小限に抑えることができます。

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