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虫歯の原因について

2019年02月19日

皆様こんにちは!

歯科衛生士の平田です。

今回は虫歯の原因についてのお話です。

歯磨きしていても虫歯になりやすい人とそうでない人がいます。理由は色々考えられます。

磨いているつもりでもきちんと磨けていないということもあるでしょう。しかしここではきちんと磨けていると仮定した上で何故そのような差が出るのか検証したいと思います。まず考えられる原因を列挙すると、食生活の悪さ、口腔内菌叢の悪さ、唾液の量や性状の悪さ、歯の質の悪さなどが考えられます。

まず食生活ですが、甘いものをダラダラ食べるという食生活・・これは当然ですが、虫歯菌の好む環境です。甘いもの(ショ糖)は、虫歯菌の餌になり歯を溶かす酸を産生し虫歯をつくります。

次に口腔内菌叢についてですが、口の中には健康な状態でも200種類以上の細菌がその数、数十億という単位で生息しています。その中でも善玉菌と悪玉菌の割合が問題になります。悪玉菌が比率として多ければ当然虫歯や歯周病にかかりやすくなります。細菌の中には虫歯菌や歯周病に悪い影響を及ぼす菌以外にも善玉菌と呼ばれる細菌が存在し口腔内のバランスを保っています。そもそも赤ちゃんの口の中には虫歯菌はいませんが幼児期にどんな細菌を周囲の大人から感染させられるのかで将来、虫歯や歯周病になりやすいかそうでないのかが決定します。お口の中の細菌叢は一人一人異なり、悪玉菌の比率も個人個人で異なります。虫歯菌の代表ミュータンスレンサ球菌は赤ちゃんのうちは口腔内に存在しません。歯が萌出して離乳食が始まると周囲の大人である父母などが使用した箸やスプーンを介し感染するのです。

この時期に感染する機会がなければ、それ以後は感染する可能性はかなり低くなりその後の予防が楽になります。口腔内細菌叢の形成は、椅子取りゲームみたいなもので最初に善玉菌がたくさん定着すると悪玉菌が定着しずらくなるという構図があります。逆もあります。また完成された細菌叢のバランスは容易に崩れることはなく、後からミュータンスレンサ球菌が進入してきたとしても定着することは少なくヒトが固有の口腔内細菌叢を獲得する時期は感染の窓と言われる生後1歳7か月から2歳7か月ですので、この間にそれぞれの口腔内細菌叢のパターンが形成されます。したがって、お口の中の悪玉菌であるミュータンスレンサ球菌の割合はこの時期に決定されるのです。この生後1歳7か月から2歳7か月までの間、悪玉菌の感染を防ぐことができれば、お子様を虫歯の危険からかなりの確率で守れるということになります。ですので、妊産婦のお母さんはお口の中を清潔に保ち、お母さん自身の口腔内細菌叢の改善をしておくことが大変重要なのです。

次に唾液についてですが、唾液の分泌量が少なければ自浄性が低下し、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。また、唾液には食後、酸性に傾いたお口の中のPHを中性に戻す力(唾液緩衝能)がありますが緩衝能が高いほど歯が菌の出す酸によって溶かされる時間が短くてすみ、再石灰化しやすくなるため虫歯になりにくくなるのです。

最後に歯の質についてですが、歯は、エナメル質、象牙質、セメント質などの成分で出来ているのですが、通常目に見えているエナメル質はもともと非常に硬い物質なのですが、歯の形成段階での石灰化が不十分で、エナメル質や象牙質の無機質が不足していることがありこのような場合、虫歯になりやすい歯の質だと言えましょう。

1.歯列不正などの構造上の不備

いくら歯を磨いたとしても、これでは食べたものが残りやすい。虫歯菌の生きていくための快適な条件を提供するようなものです。しかも歯周病を引き起こす歯石も付着しやすい。
歯石がついていないか・・・歯石があれば、いくら歯を磨いても同じこと。なぜなら億単位の細菌が歯石には含まれていて、口の中の環境は、いつまでたっても改善しないからです。
唾液は十分に出ているか?・・・唾液は、食べる時は消化液として、それが以外の時は、優れた洗口液の役割があり、しかも細菌のみならずウィルスに対しても殺菌し、いつも口の中を一定の環境に整える働きがあります。この唾液の分泌が悪かったり、口呼吸だと口の中はいくら磨いても、すぐにばい菌だらけになります。
すっぱいのを良く食べたり飲んだりしないか・・・口の中が酸性に傾くと、虫歯菌は活発に働きますし、しかも歯の構成成分であるカルシウムなどがどんどん失われます。
その他にも口の中の環境を悪化させる要因はないでしょうか?

2.虫歯菌の餌について

虫歯菌はいつもいるのですが、増やさないようにすることが大切です。
虫歯菌の餌はショ糖です(砂糖)。これを良く取る人や、ダラダラと食べる人は、虫歯菌を口の中で養殖しているようなものです。
さらには唾液が少ないと、たとえわずかしか砂糖を取らないとしても、濃縮されます。唾液には、希釈作用もあるからです。

3.歯や口について

虫歯菌のターゲットは歯である訳ですから歯自体が弱ければ、虫歯菌の攻撃に弱いですね。
これは、少しの遺伝的な要因もあるかもしれません。
でも多くは、後天的な問題です。歯並びが悪いと歯がいくら丈夫でも虫歯菌は付着しやすいです。
甘いものやすっぱいものは、歯が弱くなります。磨き過ぎによって、歯を削っていればエナメル質が剥げてしまって虫歯菌に対して弱くなります。
また、唾液には免疫物質が含まれています。体全体の健康を損ねると(不規則な生活や生活習慣病など)当然ですが、口の中の唾液による防衛力(免疫力)もダウンして虫歯の攻撃に弱くなります。

4.時は金なり

もう1つ大切なこと。不幸にして虫歯菌がわずかに取りついたとすると、これは感染の拡大を止めることができなくなります。
虫歯は自然に治ることは決してありません。しかも、その部分で虫歯菌がどんどん増えるために、いくら頑張って歯を磨いても細菌学的には全く意味がなくなります。
ひとたび歯に取りつき増殖し出すと、いくら歯を磨いても無意味です。やがては時間と共に大きな虫歯に発展します。大きな虫歯になるまでには、幸いに時間がかかります。
したがって、時は金なり。早期発見早期治療が安く済み、治療も早いことになります。そのためには、定期的な専門的チェックを怠らないことです。結局は安くて痛みもなく、自分の健康を維持できるのです。
小さな虫歯は自分ではなかなか気付かないものです。いつもいる虫歯菌と平和共存を図ることが大切です。

5.虫歯菌の歯への定着を阻止しているか?

虫歯菌は歯に定着しない限り、虫歯になりません。この作業が歯磨き、あるいは唾液の役割になります。
本来は、唾液が十分あり食生活に気をつけていれば、歯を磨かなくても虫歯にはなりません。
野生動物が歯を磨かなくても人間より虫歯にならないことを考えても理解できます。
その補助手段として歯磨きを行いますが、その方法が効率の悪いものであるとすると、いくら歯を磨いても無駄ということになります。
あるいは小さな虫歯があるのにいくら歯を磨いても、虫歯は広がって行きます。

結論として歯を磨くことも重要ですが、普段の食生活や、上記の点について良く反省してみてください。それと、虫歯や歯周病など多くの口の病気は自己内部の細菌による感染という概念を理解しておくことです。感染は必ず防御できます。

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