2025年01月24日
こんにちは!歯科衛生士の阿部です😊
みなさんは、歯周病が全身に及ぼす影響についてご存知ですか??
今日はその関係についてお話ししていきます!
歯周病の原因となるのは、歯垢と呼ばれる細菌です。歯垢は、歯磨きが不十分な部分に付着するネバネバした黄白色の粘着物です。この歯垢は時間とともに量が多くなり、酸素が少ない状態になると歯垢の中で酸素を嫌う嫌気性菌が多くなります。
嫌気性菌が歯肉に攻撃を仕掛けて身体の中に侵入しようとし、身体は菌をやっつけて侵入を抑えようと攻撃します。これが、歯周病のはじまりで、歯肉からの出血・発赤・腫脹などの炎症の症状です。この中でも、出血は歯周病菌と白血球の戦いの証です。出血をそのままにしておくと、歯垢は歯周ポケットの中に潜り込み、どんどんと歯周組織を破壊していき炎症を繰り返します。歯周病が起こるということは、口の中で常に炎症が続いているということです。
その際、炎症によって出てくる毒性物質が歯肉の血管から全身に入り、様々な病気を引き起こしたり悪化させる原因となります。
①糖尿病
②早産・低体重児出産
③肥満
④動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)
にも関係してきます。
また、歯周病菌のなかには、誤嚥により気管支から肺にたどり着くものもあり、高齢者の死亡原因でもある誤嚥性肺炎の原因となっています。
歯周病菌のひとつP.g菌(Porphyromonas gingivalis)がもつ”ジンジパイン”というタンパク質分解酵素はアルツハイマー病悪化の引き金をもつ可能性が示唆されています。
歯周病の予防・治療を行うことで、全身の様々な病気のリスクを下げることが可能です。日々の歯磨き・口腔ケアを見直し全身の健康につなげましょう。
狭心症・心筋梗塞
動脈硬化により心筋に血液を送る血管が狭くなったり、ふさがってしまい心筋に血液供給がなくなり死に至ることもある病気です。
動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が要因とされていましたが、別の因子として歯周病原因菌などの細菌感染がクローズアップされてきました。
歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が出来血液の通り道は細くなります。
プラークが剥がれて血の塊が出来ると、その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。
脳梗塞
脳の血管のプラークが 詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まる病気です。歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。
血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、より重要となります。
●歯周病は糖尿病の合併症の一つ
歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。
さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです。
歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。
全身の健康に歯科が出来ること
歯肉の炎症が全身に多くの影響を及ぼすことは昨今の研究で明らかになってきています。歯周病も糖尿病も生活習慣病ですから互いに深い関係があって不思議ではありません。
毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防することにつながります。
歯医者は口腔内の変化をみる事のできるプロです。口腔ケアも自分一人できちんと行うのは難しいと言われています。半年に一度は歯科医を受診し、生活習慣も含め口腔内のケアを受けるようにしてください。
妊娠性歯肉炎
一般に妊娠すると歯肉炎にかかりやすくなるといわれています。
これには女性ホルモンが大きく関わってくるといわれており、特にエストロゲンという女性ホルモンがある特定の歯周病原細菌の増殖を促すこと、また、歯肉を形作る細胞がエストロゲンの標的となることが知られています。
妊娠終期には月経時の10~30倍になるといわれており、このため妊娠中期から後期にかけて妊娠性歯肉炎が起こりやすくなるのです。
ただ、基本的には歯垢が残存しない清潔な口の中では起こらないか、起こっても軽度ですみますので、妊娠中は特に気をつけてプラークコントロールを行いましょう。油断すると出産後に本格的な歯周病に移行する場合もありますので、注意が必要です。
また、まれに妊娠性エプーリスという良性腫瘍ができる場合もありますので、その場合はかかりつけの歯医者さんにお早めに受診してください。
歯周病と低体重児早産
近年、さまざまな歯周病の全身への関与がわかってきました。
なかでも妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児および早産の危険度が高くなることが指摘されています。
これは口の中の歯周病細菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかといわれています。その危険率は実に7倍にものぼるといわれ、タバコやアルコール、高齢出産などよりもはるかに高い数字なのです。
歯周病は治療可能なだけでなく、予防も十分可能な疾患です。
生まれてくる元気な赤ちゃんのために、確実な歯周病予防を行いましょう。
誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物を誤って気管や肺に飲み込んでしまうことで発症する肺炎です。
肺や気管は、咳をすることで異物が入らないように守ることができます。しかし、高齢になるとこれらの機能が衰えるため、食べ物などと一緒にお口の中の細菌を飲み込み、その際むせたりすると細菌が気管から肺の中へ入ることがあります。
その結果、免疫力の衰えた高齢者では誤嚥性肺炎を発症してしまいます。
特に、脳血管障害の見られる高齢者に多くみられます。
誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われており、誤嚥性肺炎の予防には歯周病のコントロールが重要になります。
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症は、全身の骨強度が低下し、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気で、日本では推定約1.000万人以上いると言われています。そして、その約90%が女性です。
骨粗鬆症の中でも閉経後骨粗鬆症は、閉経による卵巣機能の低下により、骨代謝にかかわるホルモンのエストロゲン分泌の低下により発症します。
歯周病と骨粗鬆症
閉経後骨粗鬆症の患者さんにおいて、歯周病が進行しやすい原因として最も重要と考えられているのが、エストロゲンの欠乏です。
エストロゲンの分泌が少なくなると、全身の骨がもろくなるとともに、歯を支える歯槽骨ももろくなります。また、歯周ポケット内では、炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎の進行が加速されると考えられています。
多くの研究で、骨粗鬆症と歯の喪失とは関連性があると報告されています。
したがって、閉経後の女性は、たとえ歯周炎がなくても、エストロゲンの減少により、歯周病にかかりやすく、広がりやすい状態にあると言えます。
また、骨粗鬆症の薬としてよく用いられるビスフォスフォネート製剤(BP系薬剤)というのがあり、これを服用している方が抜歯などをした場合、周囲の骨が壊死するなどのトラブルが報告されています。歯周病でぐらぐらしているから自分で抜く、などということは絶対に行わないようにしてください。
意外とお口の健康と全身疾患には深い関わりがあります。
皆さんの健康寿命を、歯科でもサポートできることはたくさんあります。
一緒にお口の健康を守り、生活の質を上げていきましょう!
2025年01月17日
こんにちは!歯科助手の長岡です。
突然ですが、皆さん「歯並び」と「噛み合わせ」の違いをご存知ですか?
似たような言葉ですが、実は意味が全く異なります!
歯並び、噛み合わせが悪いとどのような症状を引き起こすか、それぞれ見ていきましょう!
【歯並びとは】
歯並びとは、歯の見た目および歯列の位置を指す言葉です。
歯並びは外から見たときに歯がどのように見えるか(見た目)、歯列がどの位置にあるか(位置)、それが「歯並び」です。
歯並びと言う言葉には機能面の良し悪しは含まれません。
「良い歯並び」「綺麗な歯並び」であっても、噛み合わせに問題があるケースもあります。
【歯並びが乱れると…】
・食べ物をしっかり噛めなくなる
・歯をすみずみまで磨きにくくなり、むし歯や歯周病になるリスクが上がる
・発音に悪影響がでる(特にサ・タ・ラ行の発音に影響が出やすい)
・見た目が悪くなる(見た目の悪さがコンプレックスにつながるケースも)
【良い歯並び(綺麗な歯並び)の条件】
①上下の前歯の中心(正中)がずれていない
②奥歯を噛み合わせたときに隙間が無い
③上の前歯が下の前歯にわずか(2~3mm程度)に覆いかぶさっている
④歯の大きさにばらつきがなく、歯がねじれたり、歯が大きく傾いていない
⑤歯がデコボコに生えておらず、あごの骨(歯槽骨)の中に歯がきちんと収まっている
良い歯並び、綺麗な歯並びとは、上記の5つの条件すべてを満たしている歯並びです。
矯正治療を行う際には、上記の5つの条件を基準にして治療計画を立案します。
【噛み合わせとは】
噛み合わせとは、上下のあご、および、上下の歯の位置関係を指します。
歯並びとは異なり、噛み合わせは歯の位置関係だけではなく「噛む(咬合)」という機能面の状態を指す言葉でもあります。
私たち人間の噛み合わせは、以下の4つの構造から成り立っています。
1.あごの関節(顎関節)
2.あごを動かす筋肉(咬合筋など)
3.歯
4.歯を支えているあごの骨(歯槽骨)
良い噛み合わせとは、上記の4つすべてがバランス良く機能している状態を指します。
逆に、悪い噛み合わせとは、上記の1つもしくは複数の構造に問題が出ている状態です。
【噛み合わせが悪くなると…】
・歯並びが乱れる(噛み合わせの悪さが不正咬合の原因になる)
・歯がすり減る
・歯が割れる、欠ける
・歯を支える歯槽骨が吸収してしまい、歯がグラグラになる
・あごの関節に痛みがでる、あごの関節から音が鳴る(顎関節症)
【良い噛み合わせの条件】
①犬歯から奥の歯が、上の歯1つにつき、下の歯2つが対になり、安定して噛み合っている(1歯対2歯)
②上下の歯を噛み合わせて横に動かしたとき、前歯や第1小臼歯が基準になり、側方(外側)への動きをコントロールできている
このように歯並び、噛み合わせと一言で言っても、症状は患者様によって様々です。
また、噛み合わせが悪いと顎の関節に痛みが出たり、歯以外にも悪影響を及ぼします。
矯正治療や、インプラント・入れ歯・ブリッジなどの失った歯を補う補綴治療を行う際には、「良い噛み合わせの条件」を考慮して治療を行うことで、歯並びだけではなく噛み合わせの改善にもアプローチできます。
当院でもインビザライン矯正を行っておりますが、矯正治療以外にもナイトガード作成やボツリヌス注射等、患者様の症状に合わせて治療を行っております。
また、治療に入る前には必ず患者様と治療方針を決めてから治療を開始していますのでご安心ください☺️
一緒にお口の健康を守っていきましょう✨️
2025年01月10日
みなさんあけましておめでとうございます🎍
本年もよろしくお願いいたします!
新年一発目のブログは歯科助手・TCの髙橋が担当します☺︎
みなさんは年末年始美味しいものをたくさん食べまたしたか??
今回は食べ物と虫歯に関するお話です!
小さい頃などにチョコレートやキャンディーなど甘いものを食べると虫歯になるよと言われたことはありませんか?
実際に甘いものを食べると虫歯になりやすくなるのは本当です!
チョコレートやキャンディーなどに含まれている糖分は虫歯菌のエサになるからです。
虫歯菌は歯にネバネバしてこびりついているプラークの中に住んでいます。
甘いものを食べると、虫歯菌は「糖」を分解して口の中で歯を溶かす「酸」を放出します。
その「酸」によって歯の表面のエナメル質が溶け出してしまい、歯に小さな穴ができて、そこから虫歯が広がります。とても恐ろしいですね、、
またお菓子のだらだら食べには要注意です!
お菓子を食べる時間を決めずに食べていると虫歯のリスクは高まります。それは一体なぜでしょうか?
虫歯菌は酸によって歯を溶かす「脱灰」というものを引き起こします。しかしその際に「再石灰化」と呼ばれる現象が起こり、唾液の作用で酸性に傾いた歯面が中和されます。だらだら食べをしていると、再石灰化の時間が短くなり、虫歯が進行してしまいます。
ではそういったことを起こさないために日常でできる予防習慣をお伝えします!
虫歯予防は毎日のちょっと🤏した積み重ねが鍵です🔑
①キシリトール配合のお菓子を食べる
キシリトールは虫歯菌のエサにならないため、虫歯菌が酸を放出することがありません。歯磨き粉やガムによく含まれていますね!
当院でもキシリトール配合の「リカルチョコ」を販売しています!
バレンタインが近づいてくる季節にいかがですか?🍫
②フッ素を取り入れる
フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯になりにくくする菌を作ることができます。
当院でもフッ素を配合している歯磨き粉や洗口液を取り揃えているのでぜひスタッフに聞いてみてください♩
③プラークなどの汚れをとる
虫歯菌が住んでいるプラークは水でゆすぐだけではとれません。食後や間食の後に歯を磨くことが大切です。糖分を摂取した後はしっかりとブラッシングをしましょう!
また、当院でも歯科衛生士が定期的なメインテナンスを行っているので、虫歯治療だけではなく予防治療にもぜひ歯医者にお越しください🦷
お待ちしています😊
2024年12月20日
こんにちは。歯科医師の堀井です。
今回は虫歯と歯周病の病因論についてのお話になります。
病因論とは、なぜその病気が起こるのかの原因やメカニズムを究明する学問です。
皆さん虫歯の治療をして治ったと言われても、またすぐに虫歯になってしまった経験や
ぜんぜん歯科医院に通ってないのに虫歯で困ってないと聞いたこともあると思います。
またほとんど自覚症状がないのに歯周病と言われたことがある方も多いと思います。
う蝕(虫歯)も歯周病も感染症ですが、お口の中に棲み着いた常在菌による感染症なので、
病原菌に感染したからといってすぐに発症するものではありません。
また常在菌を完全に取り除くことはできないので、歯を守るためにはう蝕や歯周病の原因の菌を上手にコントロールしていく必要があります。
私たちのほとんどは歯周病原性細菌を持っていますが必ずしも歯周病を発症するわけではありません。
いままでの病因論の進化により、歯周病の治療の目的は、「細菌を 0 にする」というわけではないと分かってきました。
抗菌薬で常在菌を完全に除菌することはできないし、常在菌を無くそうとしてはいけません。
では虫歯は削って詰めたら治るのでしょうか?
それは思い違いです。
2000年にFDI(国際歯科連盟)から「削れば削るほど歯の寿命は短くなる」と発表されました。
虫歯と歯周病の病因はバイオフィルム(プラーク)です。口腔からバイオフィルムをなくすことはできません。
そして、虫歯と歯周病の原因菌は常在菌です。常在菌を追い出すことはできません。
そのため虫歯と歯周病が完治することはありません。
虫歯と歯周病の原因となるプラーク、バイオフィルムは歯茎の縁より上と下で縁上バイオフィルム(プラーク)と
縁下バイオフィルム(プラーク)の二つに分けられます。
このふたつのバイオフィルムの中には全く異なる細菌たちが棲んでいます。
縁上バイオフィルムにはう蝕原因菌、縁下バイオフィルムには歯周病原因菌がいます。
歯肉縁上にはミュータンス連鎖球菌などの好気性菌がいて発酵性糖質(ショ糖、ブドウ糖、果糖、調理デンプンなど)を代謝し、酸を産生します。バイオフィルムのpHは弱酸性です。
歯肉縁下には嫌気性菌彼がいます。歯周組織由来のタンパク質を主食とし、歯周ポケット内のpHは7.5〜9.0でアルカリ性となります。
縁上バイオフィルムの細菌は、う蝕は起こすが歯周炎は起こしません(歯肉炎は起こす)。
縁下バイオフィルムの細菌は、酸を産生しないのでう蝕は起こしません。
酸素と酸性を好む縁上細菌は、歯肉縁下(酸素が乏しくアルカリ性)に侵入しないし、縁下細菌も縁上には移行しません。
なのでう蝕と歯周炎は、別のところに住む菌が原因で起こります。
う蝕は縁上の酸産生菌が発酵性糖質を代謝して酸を作り、歯を溶かす方向にお口の中のバランスが傾いて起こります。
なのでう蝕の治療は歯を溶かす原因菌を減らして、歯に悪い食生活を改善することが必要です。
歯周炎は歯茎の中の歯周病原菌が原因で進行します。
歯茎に炎症が起きると内側からからの出血により、歯周病菌にとって必須栄養素である鉄分とタンパク質が供給され、
バイオフィルムの病原性が大幅に高まります。
進行を抑えるためには、細菌に供給される栄養を絶つことが重要です。
ブラッシング指導などの歯周基本治療により歯周ポケット内の細菌量が減少すれば、ポケット内の潰瘍面が修復し出血が止まります。
これにより、バイオフィルムの病原性は大幅に低下し歯周炎は改善します。
以上のように虫歯と歯周病は別の病因なので、患者さんの年齢とお口の中の状態に応じて、オーダメイドでう蝕、歯周病それぞれのリスクを判定することが歯を守る上で大事になります。
出典 No.232 2019年3月13日発行
予防歯科で防ぎ守る! ‐ポスト平成の歯科医療‐
https://www.dental-plaza.com/academic/dmr/no232/#content05
2024年12月13日
こんにちは!歯科医師の津田です!
もうすぐクリスマスですね🎄
今年は平日ですね!わたしは診療もありますがケーキを食べたり楽しむ予定です☺️みなさんもよいクリスマスを!
今回は歯のメインテナンスについてのお話です。
まずメインテナンスとは、歯周病を再発させず、健康な状態を維持していくための定期的な治療のことです🦷🪥
実は日本人の約80%が歯周病患者もしくは歯周病予備軍と言われています。
さらに自分が歯周病だとは自覚しているのは約20%だそうです。
歯周病は歯と歯肉の間が清掃不良で細菌が停滞することにより歯肉や骨が下がります。
しかし痛みなどの症状が出ないことが多く、歯周病は気付かぬうちに静かに進行していきます。
そのためむし歯治療などが終わった後は油断せずに約3ヶ月ごとのメインテナンスでの受診をお勧めしております。
歯周病を予防するにはまずご自身の毎日のブラッシングが大切です🪥
ただ歯磨きで落とせる汚れは全体の60%ほどといわれています。フロスを使っても80%ほどで、なかなか100%の汚れを自分で落とせません。
そのためしっかり全体の汚れを落とすためには歯科医院で専門的な器具で歯と歯肉の間の汚れや歯石を除去することが必要です。
当院でのメインテナンスの内容は主に
◯口腔内診査
→拡大鏡を使って新しくむし歯ができていないかチェックしたり、定期的にレントゲン写真を撮影してむし歯や歯周病の状態をチェックします。
◯スケーリング、SRP
→磨き残しでできた歯石をとります。
歯石があると細菌が繁殖し歯周病が進みます。
◯PMTC
→専用の器具で歯の表面を滑沢化させて細菌が付きづらいようにします。
◯ブラッシング指導
→おすすめの歯ブラシを処方したり、患者さんの口腔内に合った磨き方をアドバイスします。
歯周病が進むと骨を再生させるのは困難です。
歯科医師も歯周病で溶けてしまった骨を再生させられるようにオペの練習をしたり日々研鑽を積んでおりますが治療には限界があります。
元通りに戻すことはなかなか難しいです。
また歯周病が進み、歯を抜くことになるとインプラントや入れ歯になりますが、やはり自分の歯で噛む感覚は取り戻すことはできません。
そのため定期的なメインテナンスで歯周病が進行しないように予防することが重要です。
30〜40分の時間でメインテナンスする歯科医院が多いかなと思いますが当院では1時間の時間をとり、しっかり全体をメインテナンスしています。
歯科衛生士がメインテナンスを主に行いますが、当院の歯科衛生士は月1回、衛生士研修を受けたりセミナーに行ったりと日々患者さんの歯周病を食い止められるように知識、技術を身につけております。
歯周病で困ったことがあれば、歯科医師だけでなく日々メインテナンスしている歯科衛生士にもお気軽にご相談ください😊
お待ちしております。
2024年12月6日
こんにちは!保育士の奥村です!☺️
歯科医院で歯周病のメインテナンス中にお口の写真を撮影することにはたくさん理由があります。
1. 記録の保持
口腔内写真を撮影することで、患者さんの歯や歯茎の状態を正確に記録できます。これにより、次回の来院時に状態の比較がしやすくなり、治療やメインテナンスの進捗を確認できます。
2. 問題の早期発見
歯石の蓄積や歯周病、虫歯の初期症状など、肉眼では見落としがちな部分も写真で確認できます。これにより、治療が必要な箇所を早期に発見しやすくなります。
3. 患者さんへの説明
写真を用いることで、患者さんに口腔内の状態を視覚的に説明できます。たとえば、
• 歯石のつき方
• 磨き残し
• 歯茎の腫れ具合
• 歯の摩耗やひび割れ
を直接見てもらえるので、患者さんの理解が深まり、治療やセルフケアへの意識向上につながります。
4. 治療計画のための資料
治療計画の作成時にも、口腔内写真は重要な資料となります。特に矯正治療やインプラント治療のような長期的な治療では、初期状態の記録が必要です。
5. 口腔内の状況の共有
歯科医師や歯科衛生士、助手間で患者さんの状態を共有する際に、写真があれば正確な情報を基に話し合いができます。治療ミスを防ぐことにもつながります。
当院では、患者さま一人ひとりのお口の健康をしっかりサポートするため、必要に応じて口腔内写真の撮影を行っています。もちろん、撮影前には丁寧に説明し、患者さまの同意をいただいた上で行いますのでご安心ください。
これからも、みなさまのお口の健康を守るお手伝いをしていきます!
気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談くださいね。🦷
2024年11月22日
気温がぐんと下がり、鼻水や咳をしている方が増えてきましたが皆さんお身体の状態はいかがですか?
皆さんこんにちは!歯科衛生士の沖村です!
寒くなってきて、風邪や感染症にかかる方が増えてくる季節となりましたが、実は身体の健康状態と口の状態が深く関係しているのを皆さんご存知ですか?
全身的に体が不健康だと口の中も不健康になりやすいですし、逆も然りです。
当院では、皆さんのかかってる全身疾患やお身体のことについてお伺いし、かかりつけ医と連携を取ったり、こちらから医科を勧めたりという【医科歯科連携】を積極的に行っています!
今回はなぜ、医科と歯科の連携を取らなくてはいけないのかをお話していきます。
①歯周病と全身疾患の関係
歯周病にかかっていると、歯周病の菌が歯茎の血管から全身へと送り込まれ、菌が全身を周ります。
歯周病の菌が各身体の場所で悪さをし、認知症や心筋梗塞、動脈硬化などを引き起こすと言われています。
また、糖尿病は歯周病と相互に関係しているため、どちらかの治療が上手くいっていないと、片方も悪くなってしまうといわれています…。
そのため歯周病の治療をしていても中々治らないなと思っていたら、実は糖尿病にかかっていた!なんて事もあります。
なので歯周病を治療する上で、患者様の身体の状態を知る事も大事ですし、お医者さんにも口の中の状態を知っていただき、全身的にアプローチして治療をすることが大事です。
この他にも関係している疾患は沢山あります。歯周病と全身疾患の関係についての内容は、当院のブログでも詳しく紹介しているためそちらをお読み下さい!
②飲んでいるお薬の副作用
どの薬にも、【副作用】が存在します。
お身体を健康にするためには必要なお薬ですが、唾液が出づらくなり乾燥しやすくなったり、歯茎が盛り上がってしまったりと、口の中に影響がでるお薬もあります。
上記の様な症状がでると、歯周病や虫歯のリスクがとても高くなってしまうので、更にお口の中の管理が重要となってくるので、私たち歯科でも知っておきたい情報となります。
また飲んでるお薬によっては、抜歯や外科処置を行う際気をつけなければいけない場合があるのでかかりつけ医と情報を共有し、身体に考慮した上で歯の治療を行っていく必要があります。
いかがでしたでしょうか?
このように全身と口は密接に関係しており、患者様が健康になるよう、医科と歯科が連携を行い全身的にアプローチをしていく必要があります!
なので、ぜひ歯医者に来た際は口だけではなくお身体の変化や現状を教えてください💪
2024年11月15日
こんにちは、歯科医師の飯田です。
今回は親知らずは抜いた方がいいの?についてお話ししていきます。
昔の人は麻酔もない頃に親知らずを抜いていたのでしょうか?
まずは昔の人は歯を抜く時に麻酔をせず叩いて抜くや引っ張って抜くなどを行い、そのあと痛みを和らげるものを紙で包み歯を抜いたところに入れたりしていたそうです。
今よりも歯医者が苦手な人が多くいたのではないでしょうか。
ただ、昔の人は今よりも顎が大きかったので親知らずはしっかり生えている人が多かったのです。
今では硬いものを噛む事が少なくなるにつれ顎の発達が弱くなり顎自身が小さくなっています。
それを裏付ける研究があり、とある国の歯並びがずっといいとされている部族がいたのですがその部族の子供が現代の食べ物がある町で生まれて食生活をすると歯並びが悪くなったそうです。
歯並びが悪くなる理由が現代食の軟化による顎の発達が弱くなるためです。
そのため親知らずが生える位置がなく斜めに生えるしかなく、抜かなくては行けない親知らずになってきているのです。
と言うことは親知らずは必ず抜くのではなく、親知らずがしっかり生えてないまたは生えてる事で他の歯の邪魔になっている時に抜かなくては行けないのです。
例えば親知らずの一個前までの歯の歯ブラシがやりずらい事で虫歯や歯周病になりやすい
親知らずが斜めに生えてきて前のはとの間に虫歯ができている、横に生えていて歯ブラシが届かないところで炎症が起きてしまっているなどが抜く理由となります。
逆に親知らずがあると有利になる場合もあります。
例えば移植や歯髄再生療法などが挙げられます。
移植は6番目の歯や7番目の歯が虫歯や破折などで残さないときに、そこに移植として親知らずを持ってきます。この時は親知らずの状態や移植先の状態でも変わってくるのでしっかりとした検査が必要になります。根っこの形などではできないこともあります。
歯髄再生療法は親知らずの幹細胞というものから再生します。今だと保存と管理などを行う骨髄細胞バンクなんてものも存在いたします。
親知らずは他の歯を虫歯にしたりすることもあれば他の歯の代わりに使うこともあったりするのでしっかりと検査や診断するのが大事なので何かあれば当院まで相談にきていただければと思います!
2024年11月8日
こんにちは!
歯科衛生士の阿部です!
今回は、お口の型取りの種類についてお話しさせていただきます😊
皆さんは型取りで、おえっとなったことはありますか?
私は、型取りは大の苦手で、よし!やるぞ!!!と気持ちを構えるぐらい苦手です😅
型取りの種類は大きく分けて3種類あります!
●アルジネート印象材
●シリコン印象材
●光学スキャナー
まずは、アルジネート印象材について説明させていただきます。
この材料は、銀歯の被せ物や矯正をされた方は経験があるのではないでしょうか?
主用途:概形印象
主成分:アルギン酸塩
ポイント:・精密印象には使用しない
・寒天と一緒に使うことで精密印象が
とれる
2つ目は、シリコン印象材についてです。
この材料は自費の白い被せ物や入れ歯などに使われます。
基本的に、自由診療に使われることが多いです。
主用途:精密印象
主成分:縮合型シリコーン・付加型シリコーン
ポイント:無味無臭
《アルジネート印象材とシリコン印象材のデメリット》
・印象材が固まるまで時間がかかる
・嘔吐反射(口に異物が入った際に「おえっ」となる生理的反応)が強い患者さんは苦しい
・型取りを失敗してしまうと、再度型取りをする必要があり患者さんの負担が増える
・型取りした模型が現物のみになるで、破損や紛失のリスクがある
3つ目は、光学スキャナーについてです。
こちらを使ったことのある方はまだ少ないのではないのでしょうか?
歯科医院によって、あるところとないところがあります。
口腔内スキャナー(IOS)と呼ばれるカメラで口の中を撮影し、歯や歯茎の形状をデジタルデータとして取得する歯の型取り方法です。
《メリット》
・嘔吐反射の心配がない
・患者さんの不快感軽減
・精度が高く再現性がある
・デジタルデータの即時利用が可能
などがあげられます。
《デメリット》
・開口量が少ないと奥歯をスキャンするのが難しい場合がある
・嘔吐反射が強い方だと苦しい可能性がある
基本的にこちらで使うのは、矯正・被せ物・インプラントなどに使われます。
当院は、光学スキャナーを導入しているので、型取りに関して何か分からないことがありましたら、遠慮なく当院歯科医師や歯科衛生士までお尋ねください!
2024年11月1日
こんにちは!
歯科助手の長岡です。
今回はシェードについてお話しさせていただきます😊
突然ですが、皆さんウェディングドレスの色は一発で決められますか?
写真で見た時は良かったけど、実際に着てみたら想像していた色味と違った…
屋内で見たら意外と色味が暗かった…
そうならない為に、試着をする方が圧倒的に多いかと思います。
歯も同じで、せっかく作った被せ物の色がなんか合わない…とならないように、被せ物を作る際に歯の色合わせを行います。
皆さんシェードという言葉は聞いた事がありますか?
歯科で言うシェードとは歯の色味の事を指します。
また、シェードガイドとは、ホワイトニングの際や詰め物・被せ物をする際に使用する歯の色見本で、歯の色味、明るさを一覧にしたものです。
例えば、歯の被せ物をつくるときに隣接する歯との色の差が大きく出ないよう、シェードガイドと、患者様の歯の色味を比較しながら被せ物の色を決めていきます。
シェードガイドにおける歯の色は、
・赤系のA
・黄色系のB
・灰色系のC
・焦げ茶系のD
の四つの色味に分けられ、アルファベットの後に続く番号が高いほど色が濃くなります。
こう見ると沢山の色味がありますね😳
歯を修復する際、天然歯とセラミックでは物性自体が違うものなので、全く同じ色に合わせるのはなかなか至難の業です。
なるべく忠実に再現し自然感のある歯に復元してあげないと、他の自分の歯と見比べて色味が合わず、浮いて見えて結果的に審美性に欠けることになってしまいます。
咬める事、発音しやすい事、そういった機能も大切ですがそれと同時に審美性、美しさも大切ですよね✨
白い詰め物や被せ物を作る際には、多くの場合は隣の歯の色に合わせて馴染むように作成する場合が多いですが、今後ホワイトニングをご希望される場合は、より明るい色味をオススメさせて頂く事もあります。
当院は月間50症例以上セラミック治療を手掛けており、その豊富な知識と技術力を活かしてあらゆるニーズにお応えします!
「なるべく安い費用で治療したい」「お金がかかってもきれいな口元を追求したい」等、治療方針についてのご相談もしっかりお時間をとって行っております。
型取りを必要とする白い詰め物や被せ物は長く使って頂く物ですので、是非納得頂けるまでスタッフにご相談下さい!