治療計画
2020年11月23日
こんにちは。歯科医師の堀井です。
今回は治療計画の立案について説明していきます。
虫歯などで損なわれてしまった歯を補う治療を、修復治療といいます。
修復治療は治療が必要な範囲や、失われた歯が多いほど
診査・診断とそれに基づいた治療計画、術式の選択など選択肢が複雑になります。
患者様の主訴や問題が一見同じように見えても、詳しく診査していくと原因や病態が異なることもあります。
一本の歯の不調を主訴に来院されても、お口の中全体に大きな問題を有していることもあります。
そのため適切な治療計画の立案のためには、的確な診査・診断が必要です。
修復治療を行うにあたり、必要な治療を分類して分析していきます。
Class1 保存修復
・歯、歯列、修復 個々の歯の単純な修復治療
(詰め物、知覚過敏処理など)
・歯周組織 臨床的に健康なものから中程度の歯周病までの状態
・咬合 生理的咬合または咬合調整によって改善できる状態
Class2クラウン・ブリッジ
・歯、歯列、修復 クラウン・ブリッジやインプラントによる修復治療
・歯周組織 臨床的に健康なものから中程度の歯周病までの状態
・咬合 生理的咬合または咬合調整によって改善できる状態
Class3オクルーザルリコンストラクション
・歯、歯列、修復 過度の咬耗、多数歯にわたる不適合補綴装置、齲蝕、欠損歯及びこれらが組みあわっさった状態。顎関節症を伴い歯列のリコンストラクションを必要とする。
・歯周組織 臨床的に健康なものから中程度の歯周病までの状態
・咬合 修復治療で前歯部、臼歯部共に咬合の再構成が必要な状態
Class4歯周補綴
・歯、歯列、補綴、咬合
高度な歯周組織の破壊の結果、びまん性の動揺が起こり、二次性咬合性外傷を併発しスプリンティングによる歯列の固定を必要とする状態。
このような分類ごとに必要な診査を追加して行ないます。
通常行う一般診査は全身的因子と局所的因子に分かれます。
全身的因子は 年齢・性別
全身的既往歴
家族歴
生活環境・生活習慣・性格等
局所的因子には 主訴の診査・現病歴
歯科的既往歴
①歯科的病歴の問診
②X線写真審査
③歯周病の検査
④触診による筋の診査
⑤触診・問診による顎関節の診査
⑥咬合診査
⑦早期接触の有無の診査
⑧スタディモデルでの診査
⑨口腔内写真・顔貌写真の診査
⑩唾液の検査
などがありこれらの診査を行いながら口腔内の問題点を把握し、総合的に診断・治療計画の立案を行います。
実際の治療は、治療計画のいくつかの選択肢の中から、患者様の都合も踏まえて実践可能なものを相談しながら進めていきます。