キシリトールとフッ素はどう違うの?
2024年02月9日
こんにちは、歯科医師の飯田です。
先日はすごい雪が降っていましたね。
皆さん大丈夫だったでしょうか?
今回はキシリトールとフッ素はどう違うの?についてお話ししていきたいと思います。
まずキシリトールとは何なのかご存知でしょうか?よくガムなどにはいっていて、虫歯になりにくいとかよく聞くと思います。本当にそうなのでしょうか?
まずはキシリトールについて詳しく説明していきます。
キシリトールは白樺やトウモロコシなど作られているそうです。そこから人の手が加えられてお菓子などに配合されています。つまり、天然素材を加工して作った甘味料ということになります。人工的に作ったものと言われるとなんかあまり良くないものと考えがちになりますが、実際には自然界にも存在しており、イチゴに含まれていたり、人の肝臓でも作られています。
虫歯になる原理はお口の中に細菌の栄養源となる糖が存在することで細菌の代謝のサイクル上酸をつくります。その酸により歯が溶ける事で虫歯になっていくのです。キシリトールはその酸をつくる糖を作らないので、細菌が酸をつくることがないため虫歯になりにくいとされています。また唾液の量を増やす作用や虫歯の原因菌の活動を抑える作用などなどたくさんの効果があります。
ここでひとつ質問です。
ハーバード大学の栄養学の教授が発表したマクドナルドのポテト、健康面を考えて一度に食べてもいい量は何本だと思いますか?
米農務省は12〜15本と発表している中、6本が適量だということです。
そんなアメリカでもキシリトールはどれだけ摂取してもいい食品とされています。それほどの安全性があります。ただ多量に摂取してしまうと下痢や腹部の不快感などが起きるので、一度の摂取量は30g位までにしておくのがいいでしょう。
そして気をつけないといけないのが人間には害がないとされてますが、犬にとっては毒になるということです。
キシリトールを摂取すると人も犬も血中に吸収されます。この時、人の膵臓は血糖を下げるためのインスリンというホルモンがでません。しかし犬の場合はインスリンが放出されてしまいます。つまり、低血糖状態になってしまうためぐったりとしたり嘔吐などが起きてしまいます。
なので犬を飼っている方はキシリトール配合の物は少し気をつけて管理しましょう。
次にフッ素についてお話ししていきます。よく歯磨き粉にフッ素配合と書いてありますが、こちらはフッ素があると歯に対して何が起こるのでしょう?
まず、歯の表面のエナメル質はハイドロキシアパタイトという構造物でできているのですが、こちらは酸によりphが下がると脱灰と言って成分が抜け落ち脆くなります。これが進むと虫歯になります。しかし前もって歯の周りにフッ素がある状態にしておくと、ハイドロキシアパタイトという成分がフッ素と結合し、より酸に対して抵抗を持つことができ虫歯になりにくくなるのです。
WHO(世界保健機関)は昔から虫歯予防にフッ化物応用がされてきている。そして2021年には歯科部門も作られフッ化物の抗虫歯作用の効能について掲げています。
とくに、乳歯の虫歯予防にはフッ化物局所塗布・フッ化物配合歯磨剤、永久歯にはフッ化物局所塗布・フッ化物洗口・フッ化物配合歯磨剤が虫歯予防効果を高めることが認められています。
ただこちらもたくさん摂取してしまうとフッ素中毒があるのでしっかり規定されている使用法を守りましょう。
まとめるとキシリトールは、甘味料でありながら歯を溶かす酸をつくらないこと唾液の量を増やす作用があり、フッ素は歯を溶かしにくくするための補強する作用があります。
どちらも虫歯になるリスクを下げるものになるので、どちらかがいいとかではなくどちらも日常的に使っていくことをお勧めいたします。
当院ではキシリトール配合のチョコであるリカルチョコ、フッ素洗口剤などもあるのでスタッフに気軽に声をかけてみてください。